◆ラグザス presents 第32回 WBSC U―18 野球ワールドカップ ▽1次ラウンド 日本3-0プエルトリコ(9日・沖縄セルラー那覇)
日本がプエルトリコに3-0で勝利。1次ラウンドA組を5戦全勝の1位で通過することを決めた。
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吹けよ風、呼べよ嵐-。那覇の夜空に雷鳴がとどろく中、奥村頼が力投した。自己最速を2キロ更新する最速148キロと直球が走った。3回2安打無失点、無四死球で5奪三振。名門・横浜ではエースで4番。投打に高い能力を誇る左腕の今大会初先発は、大谷ルール採用の「5番・投手兼DH」となった。
「世界的には大谷ルールと言われているが、WBSCでは奥村ルールだ」と小倉全由監督(68)に背中を押され、送り出された。
根っからの陽キャラ。チーム内では唯一の2年生となる今夏の甲子園優勝に貢献した左腕・末吉良丞(沖縄尚学)の兄貴的存在だ。
「比嘉(公也)監督に先日お会いした時に、『末吉のことを頼むよ』と言われたので。弟のようにかわいがっています。トム・ブラウンのみちおに似てるので、みんなで『みちお』って言ってます。末吉があんまり良くないことをしたら、相方のギャグのまねして、みんなで『ダメ~』って言ってます」と笑顔で舞台裏を明かした。
前日8日には18歳の誕生日を迎えた。「飛躍の年というか、もっとステップアップの年だと思う。どの世界に行くかわからないですけど、自分の将来の、目指す舞台に近づけるように18歳はしっかりと過ごしていきたい」と誓いを述べた左腕。投打&ムードメーカーの“三刀流”で、高校侍を世界の頂点に押し上げる。(加藤 弘士)