◆JERA セ・リーグ 巨人4―3広島(10日・東京ドーム)

 どの打順よりも、一番気楽に打っているように感じる。「2番・キャベッジ」は据わりがいい。

初回に2点を先制された直後の一発。甘い球を見事に捉えた。流れを引き戻す最高のタイミングだったし、2番に据えた阿部監督の期待通りだと思う。6回の第3打席で見せた強引さをなくせば、もっと数字は上がる。7回2死満塁は完全に打ち損じた。

 しかし、ようやく打順が落ち着いてきたな。3番の泉口から岡本、岸田のクリーンアップは今季の集大成と言っていい。軸が決まれば次に、1、2番を誰にするか。状態が上がってきたキャベッジがカギを握り、打順別で見ると2試合の8番を除いて、2番だけ打率3割を超える。相手は3番に回したくないから2番で勝負する。ストライクゾーンが多くなり、変化球も減る。迷いが消えれば、助っ人はそれなりに実力を発揮してくる。

 先頭で出た4回は3、4番が凡退後、5番の岸田が左中間席に同点2ランを放った。捕手としての成長が打席につながり、知恵を生かせるようになった。上位打線が機能すれば、吉川を8番のままでいける。さらに坂本を代打の切り札で使える。この日のような大歓声は大きな武器になるはずだ。CSに向けて攻撃が形になってきたのは良い材料だ。(高橋 由伸)

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