◆秋季大阪府大会▽5回戦 大阪桐蔭10―0浪速=6回コールド=(27日・GOSANDO南港)
大阪大会は5回戦が行われ、大阪桐蔭の192センチ左腕・川本晴大(1年)が6回4安打無失点の快投を披露し、6回コールド勝ちで8強入りを決めた。西武・中村剛也内野手(42)を父に持つ勇斗内野手(1年)は背番号15でベンチ入りしたが、出場はなし。
復権を期す大阪桐蔭に怪物サウスポーが現れた。川本は5回、先頭からの連打で無死一、二塁とされたが、ピンチらしいピンチはここだけ。併殺打と空振り三振で脱出し、6回4安打無失点、7奪三振で公式戦初先発の任務を全うした。「四球やヒットはあったけど、要所を力入れて0で抑えられたのは良かった」と、納得の表情だ。
新チームお披露目の場で抜群の存在感を示した。秋の大阪大会は5回戦から有観客。「緊張したんですけど、観客は意識はせずに投げました」。4回までわずか1安打。味方の失策で出塁を許しても冷静だった。この日は最速144キロを計測。視察したヤクルトの阿部スカウトは「スケール感がある。
中学3年の昨年にはU―15日本代表に選出され、W杯で世界一に輝いた。当時189センチだった身長は3センチ伸び、現在は192センチ、95キロ。自己最速は146キロを誇り、今秋から背番号11でベンチ入りする。「まだ荒削りですけど、真っすぐも強いし体もあるし、サウスポーなので。これから成長してほしい一人」と西谷浩一監督(56)。今夏の大阪大会では右腕の吉岡貫介(2年)が152キロの華々しい公式戦デビューを飾ったが、早くも新たな戦力が頭角を現した。
甲子園で勝利を重ねる大阪桐蔭に憧れ、地元・埼玉を飛び出した。入寮前日には家族と聖地を訪れたという。「ここで投げたいという思いが強くなった」。前チームは6年ぶりに春夏ともに甲子園出場を逃した。関東出身の大型左腕が、再起を図る“西の横綱”の起爆剤となる。
◆川本 晴大(かわもと・はると)2009年9月9日、埼玉・飯能市生まれ。16歳。双柳小1年時に泉ホワイトイーグルスで野球を始め、飯能第一中では武蔵嵐山ボーイズ、東京城南ボーイズでプレー。大阪桐蔭では今秋から背番号11でベンチ入りする。192センチ、95キロ。左投左打。