◆JERAセ・リーグ 阪神3―4巨人(16日・甲子園

 黄色く染まる甲子園に、ボビー・ダルベック内野手(30)が快音を響かせた。打球が虎ファンの悲鳴の中、左翼席へ吸い込まれたが、顔色は変わらない。

ベンチで仲間から祝福を受け、ようやく少しほほ笑んだ。初回1死一、二塁、ルーカスのスライダーを仕留めた。先制の3号3ランは3月29日以来、出場12試合ぶりの一発で、チーム11試合ぶりとなる初回得点。「チャンスで結果を出すことができてよかった」と白い歯をこぼした。

 “虎キラー”の誕生だ。「4番・三塁」で出場。3―2の3回の第2打席では1死一塁で中前安打を放って追加点につなげると、4―2の5回2死の第3打席でも右中間二塁打で初の猛打賞。今季放った3本塁打、そして10打点のうち8打点が阪神戦。完全アウェーの甲子園にも「雰囲気も好きですし、とてもいい球場」と笑い飛ばした。守備面では土のグラウンドということもあり「難しさというか、慣れが一番」と冷静だった。

 指揮官との特訓の成果をすぐさま発揮した。開幕から4番で奮闘してきたが、この試合前まで3試合連続無安打。

雨天中止の15日には、阿部監督から熱血指導を受け、ボールの待ち方について助言をもらった。「下半身を使って、というところを指導していただいて、その結果、少しボールを長く見極めることができたんじゃないかなと思います」と感謝。指揮官は「いやいや、何も言ってないですよ。本人が頑張って集中してくれた結果。これからどんどん打ってくれれば」と、主砲をたたえた。

 常に淡々と準備に励んでいる。キャベッジが本塁打を放つと弓矢ポーズで盛り上げるのに対し「自分は常に試合に集中して、ホームランを放った後でも、すぐに次のプレーのことを考えている。だから余裕がないので派手なパフォーマンスはしていないです」とポーカーフェースを貫く。首脳陣や仲間の助言にも耳を傾け、真面目に野球に向き合う姿勢が結果に結びついた。

 「最近は不運な打席が続いていて、なかなか結果の出ない歯がゆい時期もあったけど、3安打という形で貢献できて非常によかったです」。巨人軍の4番として、役割を全うし続ける。

(水上 智恵)

 ◆阿部監督(15日に熱血指導したダルベックが決勝3ラン含む猛打賞)「いやいや、何も言ってないですよ。

本人が頑張って集中してくれた結果。これからどんどん打ってくれれば」

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