昨夏の甲子園に出場した市船橋(千葉)が、4月から新体制でスタートを切った。07年夏の甲子園出場時に主将を務め、3月まで部長を務めていたOBの野田和宏新監督(36)が就任。

1996~98年以来となる夏の千葉大会連覇を目指し、チーム強化を進めている。公立校でありながら、春夏通算9度の甲子園出場と激戦区・千葉で存在感を示し続ける“市船”を背負う指揮官に、現在の思いを聞いた。(取材・構成=小島 和之)

 ―07年に就任した桜内剛監督、21年から務めた海上雄大監督に続き、3人続けての市船橋OBの監督就任となった。現在の心境は。

 「今まで先輩方が積み上げてきたものをより発展させなければいけないという重圧や使命を感じています。もちろん、誰しもができることではないことは理解しています。ですが、その喜びよりも、どうすれば先輩方が今まで積み上げてこられた実績をより高みへとつなげられるか…ということしか考えていないですね」

 ―どのようなチームを作り上げたいとイメージしているか。

 「高校野球をできるのは2年半という限られた時間です。野球だけではないということは理解していますが、少なくともグラウンドにいる間は、野球に対して本気になれるような集団を作りたいと考えています」

 ―就任にあたり、選手たちにはどのようなメッセージを伝えたのか。

 「結果は後からついてくるものですが、今まで積み上げてきた力を発揮できずに終わってしまうことが一番もったいないと考えています。大きな舞台で自分の実力を発揮するためにも、練習での仲間との関わり方や、日常生活でも苦しい場面での立ち居振る舞いを大切にするように伝えました」

 ―本来の実力を発揮するために、どのような考え方を伝えているのか。

 「ミスをしてしまった後の自分の立ち居振る舞いなど、そういった日々の積み重ねが大切です。

ミスをして落ち込んだり、イライラした態度を出してしまえば、周囲に気を使わせてしまうことになります。苦しいときこそ自分自身をコントロールして、『次はどうしたらいいのか』『同じようなミスをしないためにはどうすることが大切なのか』など、より前向きに考えようと伝えています」

 ―チームとしての理想の戦い方は。

 「このケース、このカウントならこういうことが起きるだろうな…と全員が理解、予測できるチームですね。指導者から言われなくても、『こんなことがありそうだ』と自分たちで声をかけ合って、そのための準備をできるような集団になってほしいと思っています」

 ―初の監督就任。指導の上で軸となる考え方は。

 「高校野球は何事もまずは基本だと考えています。技術的なことも、これから社会に出てく上での人間性の部分もそうです。その基礎、基本に対してはこだわり持ってやっています。基礎から先の部分というのは、個々の感覚的な部分が大部分を占めますので、まずは基本をしっかりやっていきます。打撃の調子が悪いとか、守備でうまくいかないとかいう時に、戻ってこられる場所を作ってあげることが、私たちスタッフの一つの仕事ではないかと感じています」

 ―春季高校野球千葉県大会は18日に開幕し、同日に成田と初戦で対戦する。どんな課題を持って臨みたいか。

 「(昨夏に)先輩たちが甲子園に出場したおかげで、昨秋は予選が免除で県大会からの出場でした。

しかし初戦敗退ということで、このチームは公式戦の経験がほぼありません。ですから、1試合でも多く公式戦の雰囲気や緊張感を、選手たちが経験できたらとは思っています」

 ―夏の千葉大会では昨夏を含めて直近5年間で3度決勝に進出し、2度甲子園出場を果たした。監督就任1年目の目標は。

 「私自身、選手の時には07年夏の甲子園に出場することができましたが初戦で敗退。副部長だった22年には、25年ぶりに甲子園での1勝を挙げることができましたが、昨夏は再び初戦で敗れてしまいました。その悔しさを胸に、今年の夏にもう一度千葉を勝ち抜いて、甲子園で1つ、2つと白星を挙げられるように戦っていきたいと思います」

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