◆JERAセ・リーグ 巨人5―1中日(22日・前橋)

 巨人が24年ドラ1・石塚裕惺内野手(20)の初物づくしの活躍で、中日に快勝した。「3番・遊撃」でプロ初スタメン出場し、2回にプロ初の長打となる2点三塁打で初打点をマークした。

投げては25年ドラ1・竹丸和幸投手(24)が5回6安打10奪三振1失点の力投で3勝目。球団の新人左腕の2桁Kは、67年ぶり2人目という快挙だった。チームは2連勝で貯金も今季最多タイの3とした。24日からはDeNAとの3連戦(横浜)。進撃を続けていく。

 群馬の夜空を、白球が駆けた。そのまま右翼フェンスを直撃すると、大歓声が巻き起こる。石塚は三塁上で両腕を突き上げた。視線の先では、先輩方がベンチで喜んでいる。すべてが新鮮だった。「素直にうれしかったです」。興奮を抑えるように、息を吐いた。

 「3番・遊撃」でプロ初のスタメン出場。好機が追いかけてくるように巡ってきた。初回は無死二、三塁で見逃し三振。後続も倒れ、無得点に終わった。「1打席目で流れを止めてしまい悔しかった」。第2打席もチャンスだった。1点を先制し、なお2回2死一、三塁。外角高めの114キロカーブを捉えた。プロ初の長打となる2点三塁打で、プロ初打点もマークした。

 激動の2日間だった。21日の中日戦(長野)前の練習時、不動の遊撃手・泉口の顔面にフリー打撃の打球が直撃。脳しんとう特例措置で登録抹消となった。

その頃、石塚は2軍の西武戦(Gタウン)で3号2ランを放つ活躍を見せていたが、チームを襲った不測の事態に5回の守備の途中で交代し、スタッフが運転する車で急きょ、長野へ移動。試合開始1分前、午後5時59分に球場に到着した。

 この日の朝、宿舎で食事会場に向かう際に、阿部監督とすれ違ってスタメン起用を伝えられた。「頑張ろうと思いました」。泉口が担ってきた「3番・遊撃」を務めることに「イズさんの代わりはなれないけど、しっかり自分のやるべきことはやろう」と決心。若手が多く起用された一戦で「隣を見たら浦田さんだったり、小浜さんがいたので、極度に緊張することなく」試合に入ることができた。

 泉口とは春季キャンプ中の休日も一緒に練習し「シャープでした」と打撃を目に焼き付けた。初めて経験した3番の印象は―。「チャンスでめっちゃ回ってくる。そこで結果を出している泉口さんってすごい」。改めて巨人のレギュラーの偉大さを感じた。

 2年目の今季、春季キャンプは1軍スタートもオープン戦で打率1割2分5厘と振るわず、3月22日の楽天戦後、指揮官に降格を告げられた。

「まだまだだったな。どんな時でも声だけは出して頑張ってこい」。下を向く暇はなかった。「どこでやろうと同じ。しっかりレベルアップできるように」。2軍で15試合で打率2割9分8厘、3本塁打。自分の打撃を取り戻した。

 チームにとって痛恨のアクシデントで回ってきた機会で、結果を残した。しかし快音は1度だけで、後はいずれも三振。「今日は4三振なので喜んでいいのか分からない。しっかり糧にして自分の成長につなげられたら」。たくさん得た収穫は、必ず生かしきる。

(臼井 恭香)

◆石塚の激動の2日間30時間

【21日】

▽午後1時 ファーム・リーグ西武戦(Gタウン)に「3番・遊撃」で出場

▽同15分 初回1死一塁で3号2ラン

▽午後2時6分 5回1死の守備で途中交代

▽同21分 球団スタッフの運転する車でGタウン出発

▽午後5時59分 1軍・中日戦の試合開始1分前に長野オリンピックスタジアム到着

▽午後7時45分 5回2死から代打で遊ゴロ

▽午後9時40分 チームバスで長野を出発

▽午後11時50分 群馬・高崎の宿舎に到着

【22日】

▽午後1時 チームバスで前橋の球場に到着

▽午後2時 試合前練習開始

▽午後6時 「3番・遊撃」でプロ初スタメン

▽同45分 初長打、初打点となる2点適時三塁打

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