◆第173回天皇賞・春・G1(5月3日、京都競馬場・芝3200メートル)

 1週前とは明らかに“別馬”だった。クロワデュノール(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎、父キタサンブラック)がCWコースで躍動した。

団野大成騎手(レースは北村友一騎手)の騎乗でグロリアラウス(5歳オープン)を内から2馬身半追走。直線手前で前を射程圏に入れたが、団野の手は動かない。軽く促した程度で推進力が増すと、持ったままで手綱を押される僚馬に並びかける。輝くような青鹿毛の馬体を弾ませ、首をリズミカルに使ったフォームで加速。余力十分に6ハロン82秒7―11秒3を出し、併入でゴール板を駆け抜けた。

 「先週よりも格段に良くなっていましたし、体の使い方を含めて、いい方に向いたなと思います」と斉藤崇調教師は満足そうに振り返った。その先週はCWコースの3頭併せで大外、最後方から追走する最も負荷をかける形を選択。しかし、楽な手応えの僚馬2頭に対し、しっかりと手綱を押されながら、何とか馬体を並べた。「重さは少しありましたが、動き自体は悪くなかったので、多分これで変わってくるだろうなと思いました」。

 今回は中3週での一戦。今まで国内では常にレース間隔が空き、在厩での続戦は初めてとなる。前走後の初時計は19日。

これまで厩舎にいながら、2週間も時計を出さないことはなかった。「気持ちが抜け過ぎた部分もありました」と斉藤崇調教師は振り返る。しかし、一度刺激を与えただけで取り戻した本来の姿。このメリハリこそが高い資質を支えているのかもしれない。

 「取りこぼせない」という強い気持ちで臨んだ大阪杯で久々の勝利。しかし、余韻に浸る時間はない。「復活と書かれますけど、ようやくこの馬らしい競馬ができたという意味で、すごくホッとしました。いい状態で使えると思います」と仕上がりに太鼓判を押したトレーナー。。16、17年に連覇した父キタサンブラックとの大阪杯に続く父子制覇。G1連勝で国内最強の座を不動のものにする。

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