◆プロボクシング ▽世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)4団体統一タイトルマッチ12回戦 統一王者・井上尚弥―WBA&WBC&WBO同級1位・中谷潤人▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・井上拓真―同級4位・井岡一翔(5月2日、東京ドーム)

 ダブル世界戦の公式記者会見が30日、都内で行われた。世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥は、WBA&WBC&WBO世界同級1位・中谷潤人との防衛戦へ向け「まだまだ井上尚弥だ、というところを証明していきたい」と貫禄を漂わせた。

史上初の日本人同士の4団体統一タイトルマッチとなる世紀の一戦は注目度も高く、興行を手がける大橋ジムの大橋秀行会長(61)がファイトマネーについて「2人とも(自身)過去最高額」と明言。文字通り、史上最高の対決となった。

 両雄の視線がぶつかることは、一度もなかった。最強挑戦者を迎え撃つ最強王者・尚弥は、この一戦で証明したいものを問われ、表情を変えることなく答えた。「まだまだ井上尚弥だ、そういったところを証明していきたいと思います」。前人未到の記録を打ち立ててきた33歳は、同じく32戦全勝の戦績を引っさげて駆け上がってきた28歳との勝負論に、断固として反証する決意を示した。

 日本人同士の4団体統一タイトルマッチは史上初。歴代最多となる4団体統一王座6度の防衛を重ねてきた尚弥は、中谷を「とてもクレバーで、真面目で、ボクシングにすごくひたむきに向き合っている印象」と評した上で「こちらもそういう姿勢で臨まないといけない」と自らに言い聞かせるように語った。決戦まで2日。「どういったことであろうが、自分がしっかりと勝つ。それだけを考えている」と心境を明かした。

 日本ボクシング史上最大の一戦は興行規模も異次元だ。

会見後、興行を主催する大橋会長が取材に応じ「ファイトマネーは巨額です。金額はちょっと言えないけど、もちろん、2人とも(自身)過去最高額だと思います。井上拓真も過去最高額です」と明かした。

 尚弥は25年に4度の防衛戦を戦った。ファイトマネーは非公表だが、米メディア「スポルティコ」が1月に発表した25年のアスリート長者番付では、サラリー(年俸、賞金など)が約71億円などと報じられた。2年前の東京ドームでのルイス・ネリ(メキシコ)戦の報酬は、ファイトマネー以外を含めて10億円超とされる。関係者によると、昨年12月のサウジアラビア・リヤドでのアラン・ピカソ(メキシコ)戦が日本人最高額だという。今回は“サウジマネー”を超え、数十億円規模になるとみられる。元WBA・WBC世界ミニマム級王者の大橋会長も「自分の頃とは全然違う。本当に夢のある世界になっている」と目尻を下げた。

 「THE DAY やがて、伝説と呼ばれる日。」と銘打たれた一戦。尚弥は「5月2日の試合に向けて、人生を懸けてここまでやってきた。

闘う姿をしっかりと目に焼き付けて欲しい」と言葉に力を込めた。東京ドームに詰めかける5万5000人が、伝説の証人となる。(勝田 成紀)

 ◆ファイトマネーの史上最高額 2015年5月2日、米ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われたWBA&WBC&WBO世界ウエルター級王座統一戦でマニー・パッキャオ(フィリピン)に勝利したフロイド・メイウェザー(米国)の約2億1000万ドル(当時約252億円)が史上最高額とされる。当時、47戦全勝(26KO)のWBA&WBC同級王者メイウェザーが、6階級制覇を果たしたWBO同級王者パッキャオを3―0の判定で下した。この試合の入場料収入は約7000万ドル(約84億円)、PPV(ペイ・パー・ビュー)の購買件数は約500万件で収益は約4億ドル(約480億円)とされ、パッキャオのファイトマネーは約1億5000万ドル(約180億円)と伝えられた。

 ◆32戦全勝同士の無敗対決となる井上尚弥と中谷潤人の世紀の一戦。日本プロボクシング界の歴史を紡いできた歴代世界王者10人がスポーツ報知の取材に応じ、両者の対戦を大予想した。1日には都内で前日計量が行われ、2日の興行はNTTドコモの映像配信サービス「Lemino ペイ・パー・ビュー(PPV)」で独占生配信される。

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