◆プロボクシング ▽世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)4団体統一タイトルマッチ12回戦 統一王者・井上尚弥―WBA&WBC&WBO同級1位・中谷潤人▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・井上拓真―同級4位・井岡一翔(5月2日、東京ドーム)

 世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥に挑むWBA、WBC&WBO同級1位・中谷潤人は「強さを証明したい」と闘志をたぎらせた。モンスターの持つ全てのベルトを前に「しっかり、取ります」と、勝って日本史上4人目の世界4階級制覇を誓った。

日本人初の5階級制覇に燃える井岡一翔の挑戦を受けるWBC世界バンタム級王者・井上拓真はレジェンドに勝って「強さを証明したい」と意気込んだ。

 全く視線を合わせようとしない王者のそぶりを、中谷は気にもしなかった。「この試合で証明したいものは」と聞かれると「強さです」と迷わず答えた。

 質疑応答の後、記念撮影に臨んだ両雄。井上は世界4団体と米リング誌認定の計5本のベルトを両手に抱えた。撮影後、その印象を聞くと「重そうだな」と冗談っぽく切り返す。その後、口元を引き締めて「しっかり、取ります」と言い切った。M・Tジムの村野健会長(60)は「そういう受け答えができるということは、いつもと変わらないということ。東京ドームと言っても、全くブレていない」と、まな弟子を頼もしく見つめた。

 昨年12月、サウジアラビアでスーパーバンタム級初戦に臨んだが、かつて尚弥のスパーリングパートナーを務めたセバスチャン・エルナンデス(メキシコ)のパワフルなボクシングに圧倒される場面があった。視野が狭くなるほど、打たれた右まぶたは腫れ上がった。「階級の壁」と揶揄(やゆ)されたが、後方に下がったり、動きが単調になったなど反省点は多く、苦戦の理由は分かっている。

 改めて戦い方を見つめ直すとともに、3~4月の米ロサンゼルス合宿では、体に10キロの重りをつけて呼吸を止めて全力で行うシャドーボクシングや自転車を使ったインターバルトレーニングで体力アップを図った。その結果、スタミナとスピードは以前よりも増した。

 「僕の人生と井上尚弥選手の人生がぶつかる5月2日になる。1人のボクサーが積み上げてきたものを、リング上で発揮して、どれだけの人が心を動かして感動してくれるか。そういうモチベーションを持って、(力を)発揮したい」。会見後は都内で1日の計量に向けた最終調整を行い、「5月2日は中谷潤人のストーリーをしっかり見せつけて、必ず勝利したい」と言葉に力を込めた。(谷口 隆俊)

 ―ここまでの体調は?

 「体重調整は順調で、計量もあと数百グラム落とす段階。順調です」

 ―調整は順調だった?

 「勝利するという強い信念と気持ちで、すごく充実したキャンプを積めた。尚弥選手と、お互いにベストでリングに上がれると思う」

 ―最後まで貫くことは?

 「今までやってきたことの積み重ねでこの試合もあると思っているので、今まで大切にしてきた“戦う心”を信念として持って挑みたいと思います」

 ―東京ドームでの大一番だ。

 「このような場所に立てるボクサーは数多くない。しっかり楽しみ、感謝しながら戦う」

 ―この試合の続編は?

 「自分の頭にはない。5月2日に集中してるので、それが終わってからかなと思っています」

編集部おすすめ