◆第173回天皇賞・春・GⅠ(5月3日、京都競馬場・芝3200メートル

 デビュー6年目、23歳の松本は数々の名手と名馬が駆け抜けた淀の3200メートルに挑む。手綱を執るミステリーウェイとは昨夏の丹頂Sからコンビを組み、アルゼンチン共和国杯を9番人気で逃げ切って人馬とも重賞初制覇。

「一頭で走れないと走れない馬。メンタル面以外は気にならない。それがこの馬の良さでもあり、もろい部分でもある」と調教にも騎乗する相棒を冷静に評価する。

 JRA現役騎手で最高長身の176センチは、馬のリズムを大事にしてキャリア2年で50勝を積み重ねたが、3、4年目は計17勝と勝ち星を減らした。「勝てないには勝てないなりの理由がある」と自身と向き合い、現状を見つめ直した。

 「競馬に関して違う角度からの向き合い方に優れている方ばかり」と尊敬する福永調教師ら多くの関係者の助言に工夫を加え、昨年は24勝で自身最高勝率(6・9%)をマーク。福永師は「社台ファームの方を紹介してもらったり、いろんな巡り合わせもつくってくれた方」。ミステリーウェイも同ファーム生産、社台レースホースの所有馬だ。

 近2走は有馬記念16着、日経賞14着と大敗続き。「馬につらい思いがかかる競馬になってしまったので力は発揮できませんでした。馬に申し訳ない競馬が続いてしまっている」と本来の力を出し切れなかっただけに巻き返したい気持ちは強い。

 並み居る強豪相手の春の盾は、騎手の技量も問われる長距離戦。

「馬が走りたいように走らせてあげたい。ただ、それをG1で走れる能力を持った馬のなかでやろうとするのは難しい。そこの感覚は精度を上げて乗りたい」と策を練り、「続けて乗せてもらうためにも、もっと成績を出さないと。認めてもらわないといけない」と闘志を燃やしている。(松ケ下 純平)

 ◆松本 大輝(まつもと・ひろき) 2002年10月11日、滋賀県出身。23歳。21年3月に栗東・森秀行厩舎所属でデビュー。同3月13日、中京6R(ヴァルキュリア)で初勝利。JRA通算96勝。176センチ。46・3キロ。同期は美浦の横山琉、栗東の小沢、角田、永島、古川奈。

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