◆プロボクシング ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ)12回戦 〇王者・井上拓真(判定3―0)挑戦者・井岡一翔●(2日、東京ドーム)

 WBC世界バンタム級チャンピオンの井上拓真(大橋)が、初防衛に成功した。日本男子初の5階級制覇に挑んだWBC世界同級4位の井岡一翔(志成)に3―0の大差判定で勝利。

内訳はジャッジ3人のうち1人が120ー106、118-108、119-107だった。ミニマム級からスーパーフライ級までの4階級で世界王座を獲得したレジェンドから、ベルトを守った。戦績は拓真が22勝(5KO)2敗。井岡は32勝(17KO)5敗1分け。

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 リングを去る井岡に拍手を送った拓真は「張り詰めた12ラウンド、あっという間の時間でした。すごく、自分の中で楽しい戦いでした。レジェンドという相手があってこその自分。この試合まで張り詰めてできた。この強い自分を生み出してくれたのも井岡選手だと思っています。ありがとうございました」と感謝を告げた。さらに「できれば統一戦をやりたいです」と他団体王者との激突を望んだ。ファンに向けては「こんなにファンの方々、集まっていただきありがとうございます。

自分はまだまだこんなもんじゃないぞと証明していきたいし、井上尚弥の弟じゃなく、井上拓真というのをアピールしていきたいです」と語り、「兄の尚弥が最高の試合を迎えられるように、皆様、今以上の熱い声援をよろしくお願いします」と呼びかけた。

 2回終盤に連打から右フックでダウンを奪った。3回にも右アッパーでダウンを奪い「レジェンドをどう倒すか見てほしい」と宣言していた通りの戦いをみせた。4、8回終了時点で公開された採点で大量リード。ラウンド途中には不敵な笑みを浮かべ、11回には「打ってこい」といわんばかりのしぐさも見せた。最終12回を終えると、勝利を確信したようにポストに上がって笑みを浮かべた。

 拓真が大一番でベルトを死守した。昨年11月、那須川天心(帝拳)とのWBC世界バンタム級王座決定戦に勝利して返り咲いた王座。初防衛は、元世界4階級王者を迎えうった。戦前から「自分が王者だが、挑むぐらいの覚悟でぶつかりにいく」と挑戦者のマインドで臨んだ一戦。大観衆の東京ドームで、有言実行した。

 王者として“因縁”の試合を控える。

天心は、4月11日にフアンフランシスコ・エストラダ(メキシコ)とのWBC世界バンタム級挑戦者決定戦で勝利。キック時代からの無敗を止めた拓真との再戦の権利を得た。「また戦えば、自分が勝つ自信はある」とプライドをにじませていた拓真。この勝利で次戦2度目の防衛戦で天心の挑戦を再び受けることが濃厚となった。何より今日、中谷潤人(M・T)との世紀のビッグマッチを迎える兄、尚弥(大橋)に最高のバトンを渡した。

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