◇プロボクシング▽WBC世界バンタム級(53・5キロ)12回戦 〇王者・井上拓真(判定)挑戦者・井岡一翔●(2日・東京ドーム)

 WBC世界バンタム級チャンピオンの井上拓真(大橋)が、初防衛に成功した。日本男子初の5階級制覇に挑んだWBC世界同級4位の井岡一翔(志成)に3―0判定で勝利。

ミニマム級からスーパーフライ級までの4階級で世界王座を獲得したレジェンドから、ベルトを守った。

 試合後に井上拓は「できれば統一戦をやりたいです」と他団体王者との激突を望んだ。

【1回】拓真、井岡ともに右構え。左ジャブで距離感をはかりつつ、様子見が続く。手数では拓真。拓真は井岡の右ストレートの打ち終わりに左フックを当て、踏み込んでのワンツー。井岡はアッパー気味の左から、右と適時、拳を放つ

【2回】終了ゴング直前に拓真の右が井岡のこめかみにヒット。井岡はダウンを喫する。井岡が詰めてきたところを拓真がアッパーからのコンビネーションが当たる。序盤は井岡がガードを上げてプレスをかけながらじりじりと距離を詰め、拓真は左に回り込みながらワンツーなどでしのぐ

【3回】開始50秒過ぎ。井岡がアッパーを食らい尻餅をついて2度目のダウン。会場がどよめく。

8カウントで立ち上がりファイティングポーズを取る井岡に、拓真は冷静に拳をあてにいく

【4回】井岡が反撃。プレスをかけながらにじり寄り、左から右ボディーねじ込む。拓真はウェービングとダッキング、クリンチで巧みにクリーンヒットを回避。ガードを下げて井岡に挑発する場面も

【公開採点】4回終了後のジャッジ3人の採点は、40ー34、39ー35、39ー35で拓真が3-0大差リード

【5回】井岡が果敢に距離をつめ、しつこくボディー攻撃。拓真は巧みに井岡の左をかわしてワンツー。残り2分過ぎには井岡がのけぞるほどの右ストレートが突き刺さる

【6回】拓真が懐に入ってくる井岡に左ジャブをあてる。左フックをかわして右アッパー、両拳を回してにやけ笑いで挑発。井岡は拓真のワンツーをくらいよろける場面も。

【7回】拓真が体をぶつけながら的中率の高い右アッパーを頻繁に繰り出す。開始1分後には右アッパー、左フック、右ストレートのコンビネーションをねじこむ。鼻血を出した井岡はじりじりと距離をつめるが有効打が出ない

【8回】拓真のラウンドとなった。井岡のパンチは空を切る。

拓真は距離をキープし、後退しながら手を出して近寄らせない。ゴング前には拓真の右カウンターがヒット。

【8回終了時の採点】ジャッジ3人全員が拓真を指示。内訳は80ー70、79ー71、79ー71

【9回】井岡は拓真をコーナーに詰めるが捕まえきれない。果敢に前に出てくる井岡には拓真は後退しながら左右フックで応戦。井岡に有効なパンチを打たせない

【10回】開始30秒過ぎに拓真の右ストレートがヒット。井岡は果敢に距離を詰めてパンチを打つ。拓真は真正面を向かず半身になって耐える。ストレートのような左ジャブも井岡に当たりだし完全にペースを握る

【11回】井岡が拓真にロープを背負わせ、パンチを放つが有効打が出ない。体を左右に振ってディフェンスする拓真を捕まえきれず。拓真は前後に動いて井岡の距離をつぶす

【最終12回】30秒過ぎ、拓真が左の連打で井岡をぐらつかせる。打たれながらも意地を見せ耐える井岡。

拓真はカウンターを浴びせる。決着は判定となり、拓真が3ー0の大差で井岡の挑戦を退け初防衛に成功。内訳はジャッジ3人のうち1人がフルマークの120ー106、118-108、119ー107。井岡に初めて勝った日本人となった。日本人初の5階級制覇に失敗した井岡は終了ゴングが鳴った後に「ありがとう」と拓真に告げる

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