プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(33)=大橋=が、中谷潤人(28)=M・T=との東京ドーム決戦の判定勝利から一夜明けた3日、横浜市内の所属ジムで会見。中谷との将来的な再戦の可能性に含みを持たせながらも「違うステージに行くのも選択肢の一つ」と話した。

注目の次戦は来年1月ごろ、日本でWBA&WBC&WBO世界スーパーフライ級統一王者ジェシー“バム”ロドリゲス(26)=米国、帝拳=との対戦計画が浮上。会場は名古屋・IGアリーナなどが候補に挙がっている。

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 日本ボクシング史上最大の一戦は、新たな伝説へとつながっていく。尚弥は中谷との将来的な再戦の可能性について「望む声があるなら、第2弾は全然ありかな」と含みを残した。その上で「逆にまた違うステージに行くというのも選択肢の一つ」。中谷戦に続くスーパーファイトの実現、さらには日本男子初となる世界5階級制覇への挑戦も見据えた。

 ただ、次戦について問われると「白紙」と3度繰り返した。所属ジムの大橋秀行会長(61)も「全く白紙です」と言葉を重ねた。一方、ボクシング界で最も権威がある米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)で4位にランクされる“バム”ロドリゲスとの対戦計画が動き始めている。

 リング誌(電子版)は2日、サウジアラビア政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」の責任者を務める同国総合娯楽庁トゥルキ・アラルシク長官が、尚弥とバムの対戦を1月に日本で計画していると報じた。バムと契約を結ぶ英興行大手「マッチルーム」のプロモーター、エディー・ハーン氏も先月、海外メディアに対し「すでに長官と準備段階の交渉をスタートしている」と明かしている。

 アラルシク長官は「リヤド・シーズン」の日本開催を計画しており、2日の東京ドーム興行にも来場。

尚弥―中谷戦の試合前セレモニーでリングに上がり、最前列で激闘を見守った。会場は、昨年9月に尚弥がムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)と対戦した名古屋・IGアリーナなどが有力候補とされる。

 尚弥は先月のTikTokライブ配信で「(スーパーバンタム級で)中谷戦と、ひとつやりたいなと思っている試合がある」と発言。バムを意識した発言とみられたが、この日の会見では「そんなこと言いましたっけ? 記憶にございません」とはぐらかした。

 バムは23戦全勝(16KO)の2階級制覇王者だ。縦横無尽のステップとヘッドムーブを駆使し、ハイテンポで相手に切り込んでいく好戦的なサウスポー。6月13日に3階級制覇を懸けWBA世界バンタム級王者のアントニオ・バルガス(米国)に挑戦し、その後さらに1階級上のスーパーバンタム級転向も見据えている。PFP2位の尚弥と4位のバムの軽量級頂上対決は、PFP1位を懸けた究極の“世界最強ボクサー決定戦”となる。(勝田 成紀)

 〇…大橋会長が、国内ボクシング興行史上最多を動員した2日の興行を振り返り「もう5万5000人の満員までいっちゃったから。でも、それ以上のものをまた目標にしていかないと」とさらなるビッグイベント開催に意欲を見せた。東京ドーム以上の会場として、来年以降に約8万人収容のMUFG国立競技場などでの興行開催計画も検討されている。同会長は「いろんな(プランがあるので)面白いと思います」と話した。

また、東京ドーム興行のペイパービュー(PPV)視聴者数が、22年6月の格闘技興行「THE MATCH」の約53万件を超えて日本格闘技史上最多となることも明かした。 

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