◆JERAセ・リーグ 巨人3―2ヤクルト(5日・東京ドーム)

 巨人が2安打ながらヤクルトに競り勝ち「こどもの日」5年ぶりの勝利を飾った。4回、大城卓三捕手(33)がそれまで無安打投球を許していた先発の吉村から右翼席に決勝の3号3ラン。

G党の少年少女を大喜びさせた一発だけではなく、捕手としても今季初先発の赤星優志投手(26)を好リードし、3勝目をアシスト。チームも連敗を3で止め、首位・阪神との差も2・5に縮まった。6日はゴールデンウィーク9連戦の最終戦。3カードぶりの勝ち越しで締めたい。

 打点で4戦全勝 得点への執念が白球に乗り移った。大城が見上げた先の右翼席へ打球は一直線に伸びた。「詰まり気味だったんですけど、当たった感覚はそこまで悪くなかったので。最高の結果になってよかったです」。強烈な一撃に沸く東京Dのダイヤモンドを駆け抜け、笑顔でホームを踏んだ。

 ひと振りで流れを変えた。巨人打線は3回まで相手先発・吉村から無安打。4回に2つの四球で1死一、二塁とし、出番がきた。

打席に入る前、今季初の3連敗を喫した前日の好機で打てなかった記憶がよみがえった。「なんとか今日は打ちたいなと」。吉村の初球、内寄りの149キロ直球を見事に捉えた。今季、大城が打点を挙げると4戦全勝。一発で勝利を引き寄せた。

 こどもの日に、ひときわ輝きを放った。自身の少年時代は、巨人戦を見ることが多かったという。「高橋由伸さんだったり、松井秀喜さんだったり。それこそ阿部監督もですけど、そういう世代の方々をテレビで見ていました」。同じ左の強打者の活躍に胸を躍らせていた、あの頃があるからこそ「小さい子にも夢を与えられるような、そういう選手になりたい」。その願いをかなえる一発になったはずだ。

 子どもたちにだけでなく、誰にでも優しい。

昨季FAで加入した同学年の甲斐が敗戦して落ち込んでいる姿を見かけては「大丈夫?」と声をかけた。捕手会でも甲斐が浮かない顔をしていると、解散後にそっと「もしよかったら一緒にどこか行く?」と誘い出したこともあったという。甲斐は「本当に優しいと思う。助けられました」と感謝。この日も今季初先発の赤星に対して「プレッシャーになってしまうので、無理に大きいことは言わず」捕手として、平常心でプレーする環境を整えた。そして、一発と好リードで3勝目をアシストした。

 接戦を制しチームの連敗は3でストップ。「1点差で勝ち切れたというのも自分の中で結構大きい。やっぱり勝ち切ることは非常に大事」とうなずいた。今季32試合目にして昨年、一昨年の3本塁打に並んだが21~23年には3年連続2ケタ本塁打をマークしたスラッガー。まだまだ打ち足りない。「まだまだ試合が続くので、またいいところで打てるように頑張りたい」。

打って守ってファンに白星を届ける。(臼井 恭香)

 〇…こどもの日らしく、ヒーローインタビューでは途中から小学6年生の少年が大城に質問。「チャンスの時はどういう気持ちで打席に入っていますか?」と聞かれ「積極的にというのを心がけています」と優しく答えた。続けて「足が速くなるためにはどうしたらいいですか?」と質問されると、決して俊足とはいえないことを知っている場内のファンが大爆笑。そんな中でも笑顔で「お母さん、お父さんの手伝いをすれば速くなると思います」と優しく回答した。

編集部おすすめ