ガールズケイリン選手として一線級で活躍を続けた日野未来さん(33)は、昨年6月に惜しまれつつ現役生活を引退。以後は公営競技を中心にさまざまなメディアで活躍をしている。

その一方で、以前から大のばんえい競馬ファンを公言。昨年5月に地方競馬の馬主となり、オーナーとして初めて購入した馬がグランプリスラム(牝2歳、今井茂雅厩舎)。馬主として新たな一歩を踏み出した日野さんに、デビューへ向けて奮闘するブチが特徴の愛くるしい愛馬への熱い思いを語ってもらった。

(取材・構成=松井 中央)

 ―初めて馬主としてグランプリスラム購入を決断したしたきっかけは。

 「ばん馬を購入するにあたっていろいろ聞いたり、調べたりしたのですが、なかなか候補が見つかりませんでした。そのなかで以前から交流のあった今井千尋騎手から、知り合いの牧場(メグミファーム)を紹介していただいて、そこにブチオの子供がいました。現役時代の活躍を知っていたし、多くのファンから愛されたブチオの子供だったら実際に会ってみたいと牧場を訪問したのがきっかけです」

 ―初めて会ったときの印象は。

 「ブチオと同じ茶色と白色の斑模様でとてもかわいらしい、みんなにすごく愛されていました。この馬なら馬主人生の第一歩を託せるのではと。牧場の方は手放すつもりはなかったのですが、ご厚意で購入させていただきました」

 ―グランプリスラムの推しポイントは。

 「見た目がかわいくて、とても人なつっこいところです。トレーニングで一生懸命ソリを前に前に運ぼうとする姿を見て、アマチュア時代にひたむきに頑張った自分の姿と重なりました」

 ―馬名をグランプリスラムに決めた理由は。

 「脇本雄太選手や同期だった佐藤水菜選手が達成した偉大なグランプリスラム(全てのG1とグランプリを優勝する)を名付けることで、競輪ファンの方にも覚えてもらえるのではないかと。そこからばんえい競馬に興味を持って、馬券を買ってもらうきっかけになってほしいというのが大前提でした。夢は大きくという思いもあります」

 ―デビューに向けて今井騎手とお話しされることも。

 「今井騎手もですし、厩舎スタッフの方からも調整段階や能力検査の受検について、丁寧にお話をしていただいています。まだ成長に体が追いつかないところもあるので、それを踏まえたうえでのトレーニングなど、今井厩舎を信頼してお任せしています」

 ―馬主としてグランプリスラムに託す思いは。

 「父のブチオはファン投票で選出され、ばんえいグランプリというビッグレースに出走しました。グランプリスラムにもブチオのようにファンの方に愛される競走人生を継いでほしいです。そのためには闘争心も重要なので、負けん気がある子にもなってほしいです」

 ―馬主としての今後の展望は。

 「まずはグランプリスラムが無事にデビューできたうえですが、私が選手時代の目標だったG1のようなビッグレース制覇を達成できたら。いずれはメムロボブサップの子供や、サラブレッドの馬主にもなれたらと思っています」

 日野 未来(ひの・みらい)1993年、大分県出身。タレント活動を経て、ガールズケイリンの選手(奈良支部所属)として2018年にデビュー。25年6月に現役を引退するまで通算154勝。

優勝は20回。

 グランプリスラム 父ブチオ、母ヒカルモモカ(父ナリタボブサップ)。ばんえい・今井茂雅厩舎所属の牝2歳。北海道音更町・(株)メグミファームの生産。馬主は日野未来氏。

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