◆第87回オークス・G1(5月24日、東京競馬場・芝2400メートル)

 伝統のクラシックでJRA・G1初制覇に挑む。牧浦充徳調教師(51)=栗東=は、樫の晴れ舞台にアメティスタを送り出す。

デビュー前から「跳びがきれいで、フットワークが良かった」と光るものを感じてきたキタサンブラック産駒だ。前走のフラワーC(4着)は直線入り口で不利があったが、ゴール前で力強く差し込んできた。「もっとスムーズだったらというところがあった。帰ってきた時から体が細くて、調教もセーブしながらだったけど、その中で能力のあるところを見せてくれた」とうなずく。

 トレーナーは今年で開業18年目。「少しでもたどりつけるように」と背中を追い続けてきたのが、助手時代に02年から8年近く師事した森秀行調教師だ。リーディング常連の厩舎で様々な経験を積み、「いい馬というのは、どんなものがあるのかというのを肌身で感じさせてもらった」。手がけた数々の重賞ホースを通して相馬眼を養った。

 森秀厩舎での経験はマネジメントにも生きている。09年6月に34歳の若さで厩舎を開業。当初は古巣のやり方に倣って、スタッフ全員が所属する全ての馬に携わるワンプール制を敷いた。それから現在の担当馬制に移行。

「周りが助け合える下地ができた」と効果を実感している。「高額馬がぞろぞろいるわけじゃない。少しでも馬の持っている力を引き出したい」。そのためには厩舎力の向上が不可欠と感じている。

 来週の日本ダービーには、トライアルのプリンシパルSを制したメイショウハチコウがスタンバイ。「クラシックとなると、本当に限られたものしか出走できない。それに男の子、女の子ともに出走させられるのは良かった」と笑みを浮かべる。本番で愛馬が今持てる全ての力を出せるように、万全の仕上げを施す。(山本 理貴)

 ◆牧浦 充徳(まきうら・みつのり)1974年8月17日、京都府生まれ。51歳。乗馬をしていた父の影響で中学時代から自身も地元の乗馬クラブに入会。高校時代は91年の石川国体の標準障害飛越で3位入賞を果たす。

00年4月から栗東・加用正厩舎で厩務員となり、同年8月から調教助手。02年に栗東・森秀行厩舎に移り、08年の皐月賞馬キャプテントゥーレ、03年に東京大賞典を制したスターキングマンなどを担当。09年に栗東で開業。21年の全日本2歳優駿(ドライスタウト)でJpn1初制覇。JRA通算4239戦302勝。重賞は5勝。地方重賞はJpn11勝を含む6勝。JRA・G1はこれまで21度挑戦している。

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