大相撲 ▽夏場所13日目(22日、両国国技館)

 大関復帰の霧島が、東前頭13枚目・琴栄峰との2敗対決を起死回生のうっちゃりで制し、2場所連続優勝に向け、単独首位に立った。小結・若隆景は東前頭15枚目・翔猿をつり出し、東前頭2枚目・義ノ富士は同11枚目・宇良を押し出して3敗を守った。

翔猿と宇良は4敗に後退。14日目に3敗同士の琴栄峰―若隆景が組まれたため、優勝決定は千秋楽になる。

 結びの大逆転勝ちで、霧島が4度目の優勝に近づいた。琴栄峰に土俵際まで寄られる劣勢も、驚異的な粘り腰で耐えて右膝をくの字に曲げた。すると左足を伸ばし、柔道経験者らしい華麗な“足払い”。同時に体を右回転させて、うっちゃった。軍配は琴栄峰だったが、物言いの末に相手の右腕が先に土俵に着いており、行司軍配差し違え。「体が動いた。狙ってはないし、あまり覚えてない」と大きく息を吐いた。

 大いに沸いた館内。15年夏場所の初土俵から通算467勝目で初めてのうっちゃりで、単独トップに立つ11勝目。土俵下の浅香山審判部長(元大関・魁皇)は「すごい粘り腰。

執念はすごい」とうなった。一方で背中など多くの負傷に悩まされてきた霧島は「最後まで諦めず勝てたけど(危険な技は)できるだけ避けたい」とも振り返り、捨て身技でつかんだ1勝だった。

 22歳の琴栄峰とは初顔合わせだったが、場所前から対策してきた。30歳の誕生日を迎えた4月24日。さいたま市での春巡業で琴栄峰を稽古相手に指名していた。そこで3連勝。「いつも通りにやることが大事」と新鋭との取組に生かした。

 大阪開催の先場所を含め、過去3度の優勝はいずれも地方場所。初の両国国技館での賜杯は手の届くところにある。それでも「もっと前に出るようないい相撲で勝たないといけない。残り2日あるし考えずに、一番一番集中したい」と強調。今場所は2横綱2大関が休場。

波乱の場所は唯一出場する看板力士が締める。(山田 豊)

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