◆第93回日本ダービー・G1(5月31日、東京競馬場・芝2400メートル)

 さあ、ダービーウィークだ。第93回日本ダービー・G1は5月31日、東京競馬場の芝2400メートルで行われる。

23年生まれの3歳馬7944頭の頂点を目指す競馬の祭典で、歴代単独最多の6勝を挙げる武豊騎手(57)=栗東・フリー=は今年、ゴーイントゥスカイに騎乗。上原佑紀調教師(36)=美浦=との21歳差コンビで目指すのは、歴代最年長の57歳2か月17日での勝利。「勝てば超えられるねん」と、横山典弘騎手の56歳3か月4日の更新に意欲を見せる。

 日本ダービーには、この男がいなければならない。歴代最多6勝(2位は福永、横山典の3勝)を誇る武豊だ。「ダービーはほんと…エネルギー源みたいなところがあるよね」。第一線を走り続けて40年。ダービーはその活力だ。

 初騎乗はデビュー2年目の88年。コスモアンバーで24頭立ての16着だった。「どんな馬がダービー勝つんやろ」。19歳の青年に、1着の景色は想像できなかった。

10度目の挑戦だった98年、スペシャルウィークで初勝利。翌年に連覇し、02年には当時最多の3勝目。そこからさらに3勝を積み上げた。「6回勝つとは思わないよな」。自身の想像をも超える金字塔だ。

 しかし、今年の競馬の祭典は“見学”の危機だった。出走馬が続々と決まるなか、自身の騎乗予定はなし。気落ちしたところに舞い込んだ騎乗依頼が、青葉賞のゴーイントゥスカイだった。1勝馬で抽選対象だったが、「行く」とふたつ返事。「そこで権利取るしかないと思った。ほんまのラストチャンスみたいな感じやったからね」。有言実行の勝利。

わずか18しかない枠をもぎ取った。

 57歳で迎える37回目のダービー。ゴーイントゥスカイを管理する上原佑調教師とは21歳差のタッグだ。「(弟で調教師の)幸四郎のとこで修行してた。『開業したらお願いします』って言ってたのに全く声かからないから、あの野郎と思ってた(笑)」。チクリと刺すが、開業4年目で4頭出しの手腕には「すごいね。立派」と素直に感服する。

 ゴーイントゥスカイはG1初挑戦。「(青葉賞は)メンバーが全然、皐月賞と比べると違う」と前置きするが、前走で見せた鋭い末脚は武器になる。「瞬発力に関しては、思った以上にあった」。跳びが大きく、東京・芝2400メートルは力を発揮しやすい舞台。「チャンスのある一頭だと思いますよ」と虎視たんたんだ。

 レジェンドには、まだ塗り替えたい記録がある。「最年長記録は典ちゃんに破られたもんな。破り返したいな」。22年に53歳2か月15日で達成したダービー最年長勝利は、2年後、横山典に56歳3か月4日で更新された。今年のレース当日、武豊は57歳2か月17日。「今から勝てば超えられるねん。でも、向こうもやけどな(笑)」。いくつになっても、勝利への執念は尽きない。

 この後も安田記念にアドマイヤズーム、宝塚記念にメイショウタバルと有力馬がスタンバイする。「楽しみや、ほんと。オークス(アランカールで8着)、ダービー、安田、宝塚と。こんなワクワクしてる57歳はなかなかいないやろ」。

最多更新のV7と史上最年長V。2つの景色を見られるのは、武豊ただ一人だ。(水納 愛美)

36歳の上原佑紀調教師「武豊さんで挑めるというのは、少し非現実的」

 ○…ゴーイントゥスカイは武豊とのコンビでトライアルの青葉賞を制した。歴代最多のダービー6勝を挙げるレジェンドとのタッグで挑む大一番に36歳の上原佑調教師は「武豊さんで挑めるというのは、少し非現実的な気がします。青葉賞もすごくうまかったですし、やはり勝ち方を知っている騎手だなと思います」と20歳以上年の離れたレジェンドに期待した。

「世界一裕福なジョッキー」獲得賞金は1002億円超

 デビュー40年目の武豊は先月26日の読売マイラーズCをアドマイヤズームで制し、JRAでの獲得賞金は1000億円を突破した。24日現在で1002億円超で、2位で635億円超の横山典に大差をつけている。各海外メディアは「世界一裕福なジョッキー」などの見出しで武豊を紹介した記事が多数あり、獲得賞金は世界ナンバーワンとして名をとどろかせている。

 JRAでの勝利数は4657勝で、2位で3009勝の横山典に1648勝差をつけて歴代トップを独走。加えて地方でも212勝を挙げ、賞金は76億円超を稼ぐ。JRAのホームページでは海外で13勝。1994年のムーランドロンシャン賞をスキーパラダイスで制し、JRA所属の騎手としては初めて海外G1を達成と、数々の偉業を成し遂げている。

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