◆第93回日本ダービー(5月31日、東京競馬場・芝2400メートル)

 エムズビギン(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎、父キタサンブラック)とのコンビで日本ダービーに初参戦するフランシスコ・ゴンサルベス騎手=ブラジル=。来日から1か月、気さくな人柄ですぐに日本の生活に溶け込んだ。

「競馬に限らず生活も日本が一番です」。

 騎乗技術でも関係者の心をつかんだ。新潟で7勝を挙げ、開催リーディング2位。17日には東京で初騎乗し1勝2着1回の成績を残したが、「経験がなく、仕掛けのタイミングなど多くの馬に申し訳ないことをしました。改善したいです」と慢心はない。ヴィクトリアマイル(マピュース9着)で国内G1に初参戦。「雰囲気もすごくて、気分が上がりました。他の国でも経験がないです」と感動を覚えた。

 ダービーとは縁が深く、09年に母国ブラジルで弱冠19歳にして初めて制したG1がダービーパウリスタ大賞。若気の至りで「馬の上に立って、喜びすぎて3日間の騎乗停止を受けました」。2年後にも勝利し、19年と21年にはアルゼンチンダービーとも呼ばれるナシオナル大賞を優勝。4度の栄冠に輝いた“ダービージョッキー”だ。

「どの国でもダービーは特別です」と思い入れは強い。

 舞い込んできたエムズビギンの騎乗依頼。24年セレクトセールで5億9000万円の高額落札馬だ。「選んでくれて、友道先生とオーナーに感謝したいです」。栗東で1週前追い切りに騎乗し、「馬体が良く性格も強い馬。能力を出せばやれると思います」と好感触をつかむ。

 短期免許の終了(6月28日)まで約1か月。「終わりが近づいて悲しくなります。帰りたくないです」と感傷に浸る。「前世は日本人だったのかも」と笑う親日家のブラジル人ジョッキーが、競馬の祭典でさらなる飛躍を誓う。(三戸 達也)

 ◆フランシスコ・ゴンサルベス(Francisco Goncalves) 1990年4月8日、ブラジル生まれ。36歳。

06年、ブラジルで騎手免許取得。13年に騎手免許を取得したアルゼンチンを主戦場に、24年シーズンは479勝を挙げ、7年連続でリーディング1位を獲得。同年にグランクリテリウム大賞などG1を6勝。25年の「ワールドオールスタージョッキーズ」で日本のレースに初参戦し、4位の好成績を残した。

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