◆第93回日本ダービー・G1(5月31日、東京競馬場・芝2400メートル)

 皐月賞4着から世代の頂点を狙うアスクエジンバラ(牡3歳、栗東・福永祐一厩舎、父リオンディーズ)。廣崎利洋オーナーは、この春のG1に次々と所有馬を送り出している。

グループで既に今年20勝(5月24日時点)と快進撃を続けるオーナーに活躍馬を送り出す秘訣(ひけつ)、日本ダービーに出走するアスクエジンバラへの思い、馬主としてのキャリア、競馬の祭典への意気込みなどについて聞いた。3回にわたるインタビューで今回は第3回。(聞き手・三戸 達也)

 ―様々な厩舎に所有馬を預けていますが、厩舎はどのように決めていますか。

 「総括的なアドバイザーの藤原英昭先生が、我が身のようにやってくれています。セリでもここまでいったら、やめておこうとか。もともと伊藤雄二さんのご紹介です。最近は矢作(芳人)先生もいろいろとアドバイスしてくれます。堀(宣行)先生や中内田(充正)先生も。本当にハッピーですよ。そういう方々に相談します。みなさん人気ですからね。なかなか(ひとつの厩舎に)3、4頭までは預けられない。

持つのは年間にだいたい20~25頭の間で決めています。そこから調教師に馬を見ていただいて、気に入った馬を選んでもらっています」

 ―こういうタイプだからこの厩舎にではなく、まずは調教師の方に見てもらうんですね。

 「そうですね。馬を見るプロですから。リストを渡して牧場に見に行ってもらって、それで連絡をもらいます」

 ―いつ頃からこの形を取るようになりましたか。

 「この10年くらいですかね。徐々に広がっていきました。ちょうどレッツゴードンキやストレイトガールが走って、その後はセレクトセールで購買したアスクビクターモア。次は何だろうと勝手に楽しんでいます(笑)」

 ―幅広いジャンルで活躍馬が出ています。

 「短距離からクラシック、牡と牝。競馬界に感謝です。おかげで人生が80年間楽しく過ごすことができています」

 ―幅広い人脈で、皆さん、廣崎オーナーを慕っておられます。

 「年に一回、関西の出身なので、淡路島に皆さんに集まっていただいて、春の桜の会『観桜会』として調教師の先生方も皆さんに来ていただいています。夏は北海道でゴルフ大会。馬を通じて、人間同士の信頼関係を大事にしています」

 ―いよいよ日本ダービーが迫ってきました。

 「ワクワクしますね。ダービーは時の運、実力、スピード、それが重なった者が勝つんでしょうね。しょっちゅう出られるものではないですからね。4年前(2022年)に2頭出し(アスクビクターモア=3着、アスクワイルドモア=12着)しましたが、走っているときは、そんなに感銘しないんです。今考えるとすごいことをしたなと思いますが(笑)。今年のクラシックでオークス以外に所有馬が出たというのは、数年後は『あの頃は出られたなぁ』と思うんでしょうね。だから、ものすごく恵まれた馬主ですね」

 ―馬主になられたのはいつ頃ですか。尊敬する馬主さんはいましたか。

 「馬主になったのが1986年。

初勝利が89年新馬戦のアスクヒーロー。伊藤雄二先生で、騎手が河内(洋)さん。牧場は藤原牧場。みんなお世話になりました。僕らの大先輩はメイショウさん(故・松本好雄オーナー)です。偉大ですよ。ああいう人の背中を見てついていきましたね。すばらしいです。日高を支えてね。まだまだ生きてもらいたかったです。楽しんで人生を過ごされていた方でした。ご子息(松本好隆氏)もいい方で、継いでくれていますからね。
メイショウさんはみんなの宝物ですよね」

 ―最後に今年の日本ダービーに向けてのお気持ちをお聞かせください。

 「ドキドキしてうれしいです。チャンスがありますね。全体のレベルが上がっていて、飛び抜けた馬もいない印象です。アスクエジンバラのキャリアを見ていますと、大崩れがないですからね。東京は並みの競馬場ではなく、本当のレベルの高い馬が勝つ場所。距離がもつかどうか。ほとんどの馬が(2400メートルは)初めてですよね。エジンバラに関しては距離が長いのはプラスだと思います。東京で中山のように走れるかは、やってみなければわからないです。あとは岩田さんのマジック。騎手の手腕と気持ち。

最終的に引き上げる時に、岩田さんの顔が楽しそうにしていてくれたら最高です。祐一さんにも是非、いいところを取ってほしいです」

 ◇廣崎 利洋(ひろさき・としひろ) 1947年2月4日、兵庫県西宮市生まれ。79歳。甲南大学経営学部卒業。ASK GROUP HOLDINGS株式会社・代表取締役。86年に馬主資格を取得。グループ全体で337勝(5月24日時点)。重賞20勝でG1は5勝。ストレイトガールが15、16年のヴィクトリアマイル、15年スプリンターズS。レッツゴードンキが15年桜花賞、アスクビクターモアが22年菊花賞を制覇。京都馬主協会相談役。座右の銘は「受けた恩は石に刻め」、「授けた情は水に流す」。

カントリーミュージックを愛する。血液型AB。

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