◆報知新聞社後援 第75回全日本大学野球選手権記念大会▽1回戦 北九州市大3―2花園大(8日・東京ドーム)

 21年ぶり6度目の出場の北九州市大(九州六大学)が、3年ぶり3度目出場の花園大(京滋大学)を3―2で下した。エース右腕・山下薫輝(4年)が6回1失点11奪三振と快投。

巨人・坂本勇人内野手(37)の大ファンで、憧れの存在と同じ東京ドームで躍動し、同校を大会22年ぶりの勝利へと導いた。

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 勝利をつかんだ右手には、オレンジ色の「坂本勇人」タオルが握られていた。北九州市大の最速149キロ右腕・山下は、直球と鋭いフォークを武器に6回1失点11奪三振の好投で初戦突破に貢献。本格派右腕として中日やソフトバンクで活躍した中田賢一を擁して以来、22年ぶりの全国1勝に「22年前の1勝を超えるつもりで来ましたし、挑戦者として最初から試合に入っていくことができた」と愛用の応援タオルで汗を拭った。

 小学2年の時にスターのとりこになった。東京Dで観戦した巨人戦で、本塁打を放ったのが坂本。「サッカーをしたかったので野球を嫌々やっていた」という山下少年は一転して野球に打ち込み、大学日本一を決める舞台にたどり着いた。試合前のキャッチボール中には「ここでやっていたのかとか、意味のないところまで行ったりした(笑)」と熱気の渦が巻く遊撃の定位置を観察して力をもらい、マウンドでは景色…ではなく打者を観察し、直球と落差のあるフォークで最少失点に封じた。

 国公立大とあって練習環境は強豪私立大には劣り、室内練習場もない。その中で支えにしたのは坂本の言葉だ。「『根拠のない自信を持って、それを裏付ける努力をする』っていうことを言ってて。確かになって思って」。

授業前の午前7時半から全体練習を行い、授業後には自主練習。アルバイトで遠征費をまかなうなど、環境面のハンデを工夫と努力で乗り越えてきた。「全国の国公立大学に、ちゃんとやればできるんだぞというところを見せたい」。有言実行の1勝に胸を張った。

 10日の2回戦では、プロ注目の左腕・米沢を擁する関大と激突。チーム初の大会2勝がかかるだけでなく、大学卒業後も野球継続を目指す右腕にとっても、人生を変えるための戦いが続く。次戦の舞台も再び東京D。「ここで抑えることが一番のアピールになる。22年前も1つ勝って次で負けているので、次の1勝を取るために万全の状態で迎えたい」。全国の国公立大に衝撃を与える白星をつかみにいく。(小島 和之)

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