◆第108回全国高校野球和歌山大会▽2回戦 市和歌山5―1田辺工(16日・紀三井寺)

 U―18日本代表候補で最速151キロの市和歌山・丹羽涼介投手(3年)が夏の初陣に臨み、9回5安打1失点、9奪三振で137球完投勝利を挙げた。

 「春から調子を崩していて、その中で試合を作れたのは良かったと思います」と丹羽。

4月の春の県大会初戦で智弁和歌山に6回5失点で敗戦。自信を失いかけた。「あれから(投球)フォームが分からなくなって(球速も)140キロ出るか出ないかだった」。ずっと苦しみ続け、大会2週間前までは浮上のきっかけもつかめなかったという。

 暗中模索の中、支えとなったのは半田真一監督の「いい球投げているんだから」との言葉だった。「それで自信を持ちました」。状態の良いときのフォームに戻し、インステップ気味だった踏み出しをアウトステップに微修正し、リリースポイントが安定した。

 この日は序盤の球速は140キロ台前半も6回のピンチではギアを上げて146キロを連発した。ネット裏にはNPB9球団のスカウトが集結。6人態勢で視察した巨人・榑松スカウトディレクターは「5割くらいの力で投げているように見えます。コントロールよく、カーブ、スライダーで緩急を使っている印象で、変な力みもなく投げています」と語った。

 3月の時点ではプロを目指すか憧れの美容師になるか迷っていると話していたが、「この夏の結果次第です。

思うような投球ができたらプロに挑戦したい。(美容師とプロとでは)プロ寄りで考えています」と話した。2年春のセンバツでは敗れたものの横浜相手に好投し一躍脚光を浴びた。最後の夏はチームを甲子園に導くこと。吹っ切れた丹羽が夏の階段を駆け上がる。

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