第108回全国高校野球選手権の開会式が5日、甲子園で行われ、八王子実践(西東京)の矢沢陵磨主将(3年)が選手宣誓を務めた。

 「人々が明日へ踏み出そうと歩みを進めるたびに、自然は何度も何度も大きな試練を与えてきます。

しかし、困難は下を向く要因ではなく、前を向き、仲間とともに支え合い、道を切りひらく大きな原動力である―私たちはそう信じています」、「この聖地・甲子園で野球ができることへの感謝を胸に、多くの人々に感動と勇気を届けられるよう、全力疾走で駆け抜け、プレーすることを誓います」などと宣誓すると、大きな拍手に包まれた。

 矢沢主将は1日の組み合わせ抽選会で選手宣誓役に立候補。15人の立候補者からくじを引き当て、「歴代の皆様に負けないくらい素晴らしい文を作れれば」と意気込んでいた。

 3日の甲子園練習では「選手宣誓はしっかりと、やることをやれば必ず成功に結びつく。自信を持ってやっていきたい」とコメント。「震災で苦しんでいる方も多くいらっしゃるので、高校野球、甲子園という夢の舞台でどうにか元気づけられれば」と、7月28日に「令和8年熊本地震」が発生したことを踏まえたメッセージを盛り込む意向を示していた。

 宣誓後の取材では「間違いなく人生で1番緊張したんじゃないかな」と振り返った。「いい顔で」というキーワードは、高校野球で培ったもので「1番何が大切か」を考えた時に思いついたものだと明かし「自分たちがいい顔をして、一戦必勝で自分たちの野球をしっかり皆様に披露して、まずは1勝、必ずつかみ取りたいと思います」と話した。

 今大会の開会式は暑さ対策の一環として、午後4時から行われた。それに伴い、開幕戦は同5時半プレーボールとなる。

【宣誓全文】

「宣誓 私たちは全ての方々に感謝を抱き、戦っていきます。人生には幾多の困難が待ち受けています。

人々が明日へ踏み出そうと歩みを進める度に、自然は何度も、何度も大きな試練を与えてきます。しかし、困難は下を向く要因ではなく、前を向き、仲間とともに支え合い、道を切りひらく大きな原動力である。私たちはそう信じています。いま野球ができることは決して当たり前ではありません。だからこそ、高校球児はいい顔をして野球をしよう。いい顔の概念は状況によって変わります。戦いに身を投じている時の緊張した顔。勝負に敗れ、涙をグッとこらえる顔。感謝の気持ちにあふれた満面の笑顔。いい顔で日々を過ごすことは、周りの方々に元気や希望を与えられます。移りゆくこの時代に、選手が、高校球児が大きな戦いを頑張るためには27個の最後のアウトを全員が頑張ってつかみ取ることだと思います。この聖地、甲子園で野球ができることへの感謝を胸に、多くの人々に感動と勇気を与えられるよう、全力疾走で駆け抜け、プレーすることを誓います。

令和8年8月5日 選手代表 八王子実践高等学校野球部主将 矢沢陵磨」

 ◆東京勢58年ぶり大役 八王子実践・矢沢陵磨主将が大役。東京勢の選手権での選手宣誓は、1929年慶応商工、68年日大一に次ぎ、58年ぶり3度目。

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