◆第108回全国高校野球選手権大会第2日▽1回戦 佐野日大1―0聖隷クリストファー(6日・甲子園

 聖隷クリストファーの最速150キロ左腕・高部陸投手(3年)が初戦で散った。

 両校無得点で迎えた7回表のマウンド。

2死一、二塁から佐野日大の8番・高橋丞三塁手(3年)が放ったセンター左への力のない飛球を中堅手が落球。二塁走者が生還し、これが決勝点となった。

 この日のストレートの最速は144キロ。本来のスピードではなかったが、スライダーの切れが抜群で、相手打者は最後まで捉えることができなかった。奪った三振は計10個。特に6回は、全てスライダーを決め球に3者三振に斬って取る圧巻の投球を見せた。

 甲子園デビューとなった昨夏は、明秀学園日立(茨城)との1回戦で1失点完投。伸びのあるストレートが見る者に強烈な印象を与えた。横浜の織田翔希、沖縄尚学・末吉良丞(りょうすけ)、山梨学院・菰田陽生とともに、世代の「四天王」とうたわれて迎えた最後の夏。この試合では変化球を自在に操る“大人の投球”を披露したが、勝利の女神に見放された形になった。

 試合後、6安打完封と好投した佐野日大・鈴木有投手と言葉をかわすと、下を向き、口をぎゅっと結んでベンチ前に戻り、甲子園の光景を目に焼き付けるように見渡し、大きく息をついた。アルプスに一礼すると、マウンド上では努めて笑顔だった左腕の目から、こらえていた涙があふれ、号泣した。

 聖隷クリストファー・高部陸「チームが苦しくても自分が粘り強く投げるってことは、自分の中では1年間で本当に成長した部分なのかなというふうに思っています。昨年の夏、負けを経験している分、本当に自分が引っ張ろうとずっと思ってやっていたんですけど。去年の甲子園の悔しさというか、1球で勝負が決まってしまうところを知って、本当に悔しいです」

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