◆第108回全国高校野球選手権大会第2日▽1回戦 佐野日大1―0聖隷クリストファー(6日・甲子園

 佐野日大はエース右腕の鈴木有投手(3年)が大会一番乗りで完封勝利を挙げ、25年ぶりの夏1勝。自慢のコントロールを武器に102球で被安打6、7K。

栃木勢の無四死球完封勝利は、史上初の快挙となった。

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 鈴木は乃木坂46をこよなく愛する。個人アンケートの「趣味」の欄には「乃木坂46鑑賞」と記し、自由記述欄には「乃木坂46に会いたいです」と率直な思いをつづった。推しは同じ栃木で育った賀喜遥香だ。

 「コンサートはなかなか時間が合わずに行けないんですけど、ツアーのグッズは買って、寮の部屋に飾っているんです」

 試合前に聴く勝負曲がある。「無口なライオン」だ。「君は王者なんだ」「強く生きることが君の仕事なんだ」というメッセージが、闘志を奮い立たせてくれる。「バスの中でいつも聴いています。きょうも聴いてきました」。難敵を相手にあと一歩で“マダックス”の快投。無四死球完封という、作新学院の江川卓もなしえなかった大仕事を達成した。

 夢はプロ野球選手といきたいところだが、将来の希望はあくまで「プロ野球の球団職員」と謙虚だ。

「プロ野球選手になれるっていうのが一番理想ですけど、今の力じゃなれないので。野球が好きなので、プロ野球に関わる仕事ができたらいなと思っています」と足元を見つめ、この日の勝利にも「自信にしてもいいと思うんですけど、あまり浮かれずに、次に向けて切り替えていきたい」と表情を引き締めた。

 栃木県勢初の偉業。ネットニュースになれば、憧れの賀喜さんも目にする可能性があると思うが-。

 「認知してくれるだけで、自分ありがたいんで、そのニュースを見ていただけたら嬉しいです」と背番号1。控えめな人柄と、マウンド上の強心臓のギャップが素敵だ。いつの間にか報道陣も魅了されてしまった。パワー全盛の高校野球界において、柔よく剛を制すコントロールが武器のエース。次戦は強豪・神村学園が相手だ。(加藤 弘士)

 ◆鈴木 有(すずき・ゆう) 2008年7月17日、栃木・宇都宮市生まれ。18歳。小1から緑が丘学童野球クラブで野球を始め、陽光学童野球クラブを経て、陽南中では上三川ボーイズで2年夏に全国大会出場。

佐野日大では2年春からベンチ入り。2年秋からエースナンバー。父・一平さんは佐野日大の遊撃手で97、98年夏に甲子園出場。177センチ、73キロ。右投左打。

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