◆東京六大学野球秋季リーグ戦第4週第2日 ▽早大6―1東大(4日・神宮)

 早大が東大に連勝し、今季初の勝ち点を挙げた。主将の左腕・香西一希(4年=九州国際大付)が先発し、7回3安打無失点で今季初勝利。

今季限りで退任する小宮山悟監督(61)は就任後の計16季、東大戦は無敗で終えることになった。

 気持ちがこもった投球で、香西がチームに今秋初の勝ち点をもたらした。低めへと丁寧に制球し、スプリットを自在に操った。4回2死まで完全投球と3者凡退を繰り返し、7回を3安打無失点。無四死球とコントロールが際立つ90球だった。

 「とにかく初回をしっかり切るようにと、監督からも言われてたので、そこをしっかり取れたことで、いいリズムに乗って投げられたかなと思います」

 気合がほとばしる理由があった。高校時代から繰り返し動画を見て、投球フォームを参考にしたヤクルトの石川雅規投手が前夜、この神宮のマウンドで引退登板に臨んだ。身長167センチながら通算188勝をマークしたレジェンドは、171センチの香西にとって、最高のお手本だった。引退試合とセレモニーを寮のテレビで見て、熱い滴が頬を伝った。

 「涙、出ました。引退試合の次の日、マウンドに上がることができるのは、本当に幸せ。自分より体はちょっと小さいと思うんですが、あれほど長く続けられて、『自分もやれるかも』と思わせていただいた。

次は自分が次世代の野球少年・少女たちに、体がそんなに大きくなくても戦っていけるんだという姿を見せられるように、やっていきたいなと思います」

 プロ志望届を提出し、22日には運命の瞬間を迎える。

 「もう何が何でも行きたいですし、先発でも中継ぎでも任せてもらった場面でしっかり腕を振る準備と気持ちはできています。ドラフトの日まで、しっかり自分ができるアピールをして、待ちたいなと思います」

 仲間と過ごす最後の秋。憧れの存在に一歩でも近づけるよう、完全燃焼するのみだ。(加藤 弘士)

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