5月24日放送回のゲストは、あばれる君でした。
砂鉄さんは、自身のSNSでプレ金の告知をした際、あばれる君の反応の速さに驚いたんだとか。
砂鉄:昨日僕がX(旧ツイッター)で、「明日のゲストはあばれる君です。」とポストしたら、本当にものの15秒ぐらい後にいいねマークがついて、よろしくお願いしますみたいな。
あばれる君:もうありがとうございます。ちょうど携帯いじってるときに。
砂鉄:エッセイの中でも結構スマホ依存が…。
あばれる君:そうですね。スマホばっかりいじってますんで、そういうところで。
砂鉄:あの、ナベプロの方はふかわりょうさんといい、土屋怜央さんといい、ちょっとSNS依存の方が多いような気がしますね。
あばれる君:ですよね。だから何とか離れようとしたいんですけどね。面白すぎますね。
砂鉄:面白すぎますか。いろいろ誘惑がありますからね。
あばれる君:それ言ってくださって、恥ずかしいですよなんか。人のポストに速攻いいねするって結構恥ずかしいことなんですよ。
砂鉄:そうですよね。普通もうちょっとワンクッション置くものをピッと押してて。
あばれる君:こっちも悩むんです。もうここで早すぎるかなってね。でもいきました、よろしくお願いしますと。
砂鉄:僕あの電車に乗ってドアが閉まるところでポストしてたんですけど…。
あばれる君:もういいでしょ!この話!
自分にはお笑いが癒しでかっこよく見えた
お話を伺っていくと、あばれる君のご両親はとても厳格で、ギターを購入した際、お父様からA4いっぱいのポエムを貰ったことや、外食をするとお母様からご指摘を受けるなどといった家庭事情のお話が出てきました。そんな中、あばれる君にとってお笑いはどのように見えていたのでしょうか?
砂鉄:ギター買った時にお父さんが部屋になんかポエムみたいな物を…。
あばれる君:フライングVというすごいV字のギターを買ったんですよ。
砂鉄:そのポエムになんて書いてあったんですか?いかにミュージシャンで食べていくのは難しいという。
あばれる君:書き出しは「息子が運動部から音楽に走った。」みたいなタイトルでしたね。
砂鉄:それを息子に見せてるわけですよね。
あばれる君:そうですよ。スって入れてきて、もう速読しましたけどね。斜め読み。
砂鉄:でも心配になりますよね、そんなポエムを出されてきたらね。
あばれる君:そうですね、だからスケボーとか買ってもやっぱりそういう欧米の乗り物だと、欧米の乗り物にやっぱり敏感ですから、うちの親父は。
砂鉄:かぶれてんじゃないぞと。
あばれる君:危険な、危ない、欧米の乗り物だと思ってるから。
(中略)
砂鉄:なるほど。そういうちょっと厳格な父親の元で育ったという。
あばれる君:今はもう本当に感謝してますけどね。やっぱり一生懸命育ててくれたと思って。
砂鉄:でも中学校が野球部で、あの高1で辞めてらっしゃるんですよね。
あばれる君:そうなんですよ。
砂鉄:その部活を辞めた人って凄く気になっていて、やっぱ部活を辞めるということって、高校時代とかだと大きな挫折になるわけじゃないですか。引きずってるというか根っこになってる人多いんじゃないかなと。
あばれる君:遊ぶのが楽しくなっちゃって、その他の友達は部活やってないから自由なんですよ。なんかカラオケ行ったりとか、「あーいいな。」というので「いっちゃえ!」て思って、「受験勉強頑張ったし!」と思って、割と進学校というところだったんで、ちょっと頑張って勉強したところもあったんで、気が抜けたのかもしれません。でも今思うと続けても良かったのかなと思うんですけど、別の部活入ってまた結果残しますから、それはそれで。無駄なことなかったなって思いますね。
砂鉄:なるほどね。でもやっぱり辞めると辞めなかった人達の活躍するのが見えるわけですもんね。
あばれる君:そうですね。だからあの輝いてましたよ。やっぱ放課後暇で時間余ってる時は部活動やってる子達が。
砂鉄:輝しく見えますもんね。
あばれる君:見えましたね。尚且つ僕は外食禁止だったんですけど。
砂鉄:家の方針ですか?
あばれる君:禁止というか、お母さんが嫌な顔するというか、もうだから”親父で言う欧米の乗り物””お母さんで言う外食”これはもう古張家ではもう。
砂鉄:厳格ですよね。
あばれる君:もうファミレスで何か食べようもんなら、「そんなことしていいの?」みたいな。でも野球部とか部活終わりにみんな友達同士で行ってるわけですよ。大人に見えましたね。
砂鉄:そうですよね。相当じゃあ自由な行動範囲狭いですよね。
あばれる君:そうですよ。でも、だから大学行って楽しかったですけどね。
砂鉄:大学時代に社会科の教員免許も取って。
あばれる君:そうです。3年生から取り出して、教育実習にも行かせていただいて。
砂鉄:それはなんで取ろうと思ったんですか?
あばれる君:それはやっぱり大学まで行かしてくれた父と母の為。そしてやっぱりお父さんも教職ですから、それから免許取って、「これをやらせていただきますので、お笑い芸人どうでしょうか?」ということですね。まあでも別に反対されてもやってたから関係ないんですけれども。結果的には。
砂鉄:なるほど。でもそういう厳格な父親、厳格な母親の中、でもお笑いはやるぞというのが虎視眈々だったわけですね。
あばれる君:そうですね。やっぱそんな中お笑いが癒しで、かっこよく見えたですね。あの、当時は”オンエアバトル(1999年~2010年放送)”というNHKでやってたんですけれども、ルート33さんとかタカアンドトシさんとか、格好が私服で、こう笑わせていくお笑い芸人が新しかったんですよ。当時。かっこいいなって思って。
折れない面白さ
あばれる君初エッセイ『自分は、家族なしでは生きていけません。』では、パートナーの由夏さんとのエピソードが多く書かれています。
砂鉄:由夏さんとのエピソードはかなりたくさん書かれてますけど、最初その高校でちょっと面白いことやってたときに、さっきちょっと、MDを渡したらみんなに笑われたとおっしゃってましたけど、由夏さんはあばれる君のお笑いについては理解者だったってことなんですか?最初から。
あばれる君:だからやっぱり由夏ちゃん自体が厳しい農家の出で、必ず稲刈りとか手伝わなきゃいけないし、かなりそういうしきたりとか、古風なお家なんです。それはそれでいいですよね。もちろん。だからその中でお笑い芸人を目指してる僕が結構新鮮に映ったみたいで、そこら辺でちょっと惹かれてたみたいですね。
砂鉄:割と積極的にということなんですね。
あばれる君:そうですね。決定的だったのは文化祭で大爆笑を取って、もう体育館が、揺れ、震える。
砂鉄:震える。
あばれる君:揺れる方が良いですね。
砂鉄:揺れる…震える…まあいずれにせよ、もう衝撃が。
あばれる君:いずれにせよ動いた。
砂鉄:何かとんでもないことが起きたぞ!という。それもう個人的には自信があったと。
あばれる君:当時はやっぱり”室伏広治さん”のものまねとか、とりあえず全身タイツ着てたんですけど、全身タイツでとりあえず爆笑は取れますよね。
砂鉄:着ればね。
あばれる君:着ればもう爆笑の年代ですから。
砂鉄:揺れる震える時代ですから。
あばれる君:良かったです。そうやって出て、目立ちたがりでした。当時から。
砂鉄:でもそうやって最初からネタを認めてくれた人とずっといるというのは本当に、このエッセイ読むと魅力的だなと。
あばれる君:若手芸人とかの時は、ライブノルマとかもありますからね。
砂鉄:売らなくちゃいけない。
あばれる君:そうですよ。奥さんに買ってもらって、友達呼んでもらってみたいな感じで。
(中略)
砂鉄:大変なことだと。そういう積み重ねがさっき言ったような、人としての窮地はどういうところかというのを探すみたいな。
あばれる君:そうかもしれないですね。だから”折れない面白さ”というのは気づいたかもしれないです。
砂鉄:折れない。
あばれる君:だから、絶対的に負けな現状でも折れずになんだかんだ言い訳して突き通す人って面白いじゃないですか。一番最初に経験したのが小学校1年生の創作ダンスの時間なんですけど、その中で何か振り付けを考えてこなきゃいけなかったんですよ。みんなグループで。でも1グループだけ考えてなかったグループがいて、先生に怒られるじゃないですか。グループの1人が即興で踊ったんですね。それが凄いやっぱ俺は本当にきて、面白さで震えて、バラバラだったけど、乗り越えたんですよね。それで、だから諦めない心は重要だなというのはそこら辺でわかった気がしますけどね。
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