2強の直接対決は3戦目 余裕をもった勝ち抜けが可能

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若き天才ヤマル擁するスペインは文句なしに優勝候補の一角 photo/Getty Images

グループHはスペイン代表、ウルグアイ代表が首位を争う展開となるだろう。サウジアラビア代表、初出場のカーボベルデ代表は厳しい戦いを強いられるはずだ。

特にスペインは文句なしの優勝候補として大会に臨む。

EURO2024を制したルイス・デ・ラ・フエンテ監督のチームは、ベースをそのままにDFディーン・ハイセンなどを加えて順調に進化。ネーションズリーグ決勝ではPK戦の末にポルトガル代表に敗れたが、これは公式記録では引き分け扱いとなるため、EUROの優勝以降ひとつも負けていないことになる。

負傷が懸念されたFWラミン・ヤマル(バルセロナ)には復帰の報も。MFミケル・メリーノ(アーセナル)もどうやら間に合いそうで、充実のメンバーで首位突破を目指す。実力差を考えれば余裕をもった勝ち抜けが見込めるため、決勝トーナメントに向けていかにヤマルらのコンディションをキープするかがポイントになってくるはずだ。

対抗馬はウルグアイ。マルセロ・ビエルサ監督の特異なマンツーマン戦術は、闘争心が高いといわれるウルグアイ人プレイヤーたちにもマッチしている。タレント力ではスペインに劣るが、戦術がハマればどんなチームでも苦しめることができるポテンシャルを秘めている。フェデリコ・バルベルデ(レアル・マドリード)は今や欧州屈指の万能MFのひとりで、守備も攻撃も高いレベルでこなすことができる。

スペインとウルグアイの試合は3戦目となっており、ここまでにお互いに2勝を挙げてグループの趨勢は決まっている可能性も高い。そうなると、今大会の試合数の多さも鑑みてターンオーバーは確実。この2チームの突破はほぼ間違いないと思われ、むしろ主力温存、控えの試運転といった決勝Tを見据えたチームマネジメントが重要となってくる。
ともに初戦、2戦目を同じ開催地で戦えるのも有利な条件だ。

サウジ、カーボベルデは3位での決勝T進出を狙う

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サウジアラビアの中心となる34歳アル・ドサリは大会の経験値も豊富 photo/Getty Images

横たわる実力差をなんとか覆したいのがサウジアラビアだ。しかし国内リーグの外国人選手重用による競争力の低下、成績不振での指揮官交代など、ここ数年はなにかと問題が多かった。アジア最終予選も3位でプレイオフに回り、ギリギリで出場権を勝ち取った。ゲスト参加したCONCACAFゴールドカップは準々決勝敗退、FIFAアラブカップでは準決勝敗退と、昨年の国際大会の成績もぱっとしない。

しかし前回大会のグループリーグで優勝国アルゼンチンを破っているように、もともと地力はあるチームだ。MFモハメド・カンノ(アル・ヒラル)、FWフェラス・アルブライカン(アル・アハリ)ら前回の中心メンバーは健在で、チームをよく知る指揮官エルヴェ・ルナールも戻ってきた。今大会はグループ3位のなかから成績上位の8チームが決勝Tに進出できるため、ウルグアイやスペインを相手になんとかドローに持ち込みたいところだ。

初出場となるカーボベルデは厳しい戦いを強いられるはずだが、カメルーンを抑えて予選Dグループを首位通過した侮れないチーム。近年しだいに頭角を現してきた新興国で、同国のレジェンドであるブビスタが植え付けた粘り強い戦いはジャイアントキリングを引き起こす可能性がある。サウジと同じく、スペインやウルグアイに対しドローに持ち込めば3位での決勝T進出も可能性がある。サウジとの対戦は3戦目であり、ここで勝てれば人口60万人の小さな島国は大きな熱狂に包まれることになるだろう。



文/前田 亮

※電子マガジンtheWORLD317号、5月15日配信の記事より転載

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