24年越しの因縁の相手 フランスは初戦が鬼門か

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代表ではキャプテンを務めるムバッペ。フランスは王座を奪還することができるか photo/Getty Images

出場国数の拡大により、以前ほど「死の組」と呼ぶにふさわしいグループはないのかもしれない。ただ、そんな中でも4カ国のFIFAランクの平均が最も高い、つまりデータ上で最も厳しいグループとなったのがグループIだ。



優勝候補フランス代表を筆頭に、アフリカのタレント集団セネガル代表、予選で驚異的な得点力を見せたノルウェー代表、大陸間プレイオフを勝ち抜いたイラク代表が顔を揃えた。平均FIFAランクは25.75位で、最も低いグループB(42.25位)とは20近くも離れている。

そんな中でも、突破が確実視されているのがフランスだ。ディディエ・デシャン監督が大会終了後に退任することが発表されており、14年間の集大成となる。

前大会からのこの3年半でベテランたちが何人か退いたが、そのぶん若手もしっかり台頭している印象。FWデジレ・ドゥエ(パリ・サンジェルマン)やMFラヤン・チェルキ(マンチェスター・シティ)、FWマイケル・オリーセ(バイエルン)ら、所属クラブでチームの核となる若手が出てきた。

また、脂が乗っている中堅たちもしっかり成長。特にウスマン・デンベレ(パリ・サンジェルマン)が凄まじい。かつてのヤンチャな姿は消え、ピッチ内ではハードワークし、ベンチに下がってからは仲間を鼓舞するなど人としても大きく成長しているのがうかがえる。バランスが非常に良さそうなチームだ。

そんなフランスにとって鬼門となるのは初戦のセネガル戦か。過去の対戦はわずかに1度だが因縁の相手。
日韓W杯で出鼻をくじかれ、その後無得点のまま1勝もできずに大会を去ることとなった。24年越しに再び過ちを犯さないためにも初戦は慎重にいきたい。

セネガルとノルウェー 堅守速攻による2位争い

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ついに憧れの舞台に立つこととなるハーランド。その怪物ぶりをW杯でも発揮したい photo/Getty Images

2位争いは熾烈な戦いが予想される。セネガルは結果的に冠を剥奪されることとなったが、実質的なAFCON王者。特に攻撃陣は強力で、FWニコラス・ジャクソン(バイエルン)、FWイリマン・エンディアイエ(エヴァートン)、FWイスマイラ・サール(クリスタル・パレス)といった欧州最前線で戦い慣れた選手たちがいる。さらに34歳FWサディオ・マネ(アル・ナスル)も健在。[4-3-3]をベースに、彼らを活かす縦に速いサッカーで強豪国をもねじ伏せる。イングランドとの親善試合でも3-1で勝利するほどの実力だ。

守備にも安定感がある。ただ、負傷で主将DFカリドゥ・クリバリ(アル・ヒラル)が4月中旬以降ピッチに立てていないことが気がかりではある。28年ぶりの出場となるノルウェーは最も不気味なチームだ。



全勝突破した欧州予選では、8試合37得点という驚異的な数字を残した。そんな攻撃陣を牽引するのが、FWアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)とMFマルティン・ウーデゴー(アーセナル)。久しぶりの国際舞台となるノルウェーが躍進する上で鍵となるに違いない。

攻撃だけでなく守備も注目に値する。欧州予選ではわずか5失点と伝統の堅守もしっかり維持している。台風の目として今大会をかき乱すかもしれない。ともに堅守速攻を武器のひとつとするセネガルとノルウェーが激突するのは第2戦。今大会は3位でもGL突破の可能性があるため、初戦の結果次第では負けないことが重要となるかもしれない。

3位でも突破の可能性が残るということは、前評判が決して高くないイラクにも死の組を突破するチャンスはあるはず。アジア杯では日本代表を、アジア予選では韓国代表を苦しめた。大陸間プレイオフでは南米予選でブラジルやコロンビアに勝利したボリビアを撃破した。その中心には常にエースのFWアイメン・フセイン(アル・カルマ)がいる。
“ジャイキリ”はW杯の醍醐味のひとつとなっており、イラクが40年ぶりのW杯で大きな番狂わせを起こせるか見ものだ。

文/及川 裕太

※電子マガジンtheWORLD317号、5月15日配信の記事より転載

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