日経平均が史上最高値を更新、一時6万円を超えました。中東危機は続いていますが、深刻なエネルギー危機は回避されるとの楽観が続いています。

今後は「中東情勢」に加え「企業業績」へ、投資家の注目が移ると考えられます。好調な半導体関連や3月期決算の行方をどう読み解くべきか、私の見方を解説します。


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米イラン停戦合意で日経平均急騰

 先週(営業日4月20~24日)の日経平均株価は、1週間で1,240円上昇して、5万9,716円となりました。23日には一時6万0,013円と、史上初の6万円台に乗せました。米国株も上昇、ナスダック総合指数とS&P500種指数が最高値を更新しました。


 エネルギー危機は解消されるという思惑が先行して、世界的な株高となっています。また、半導体・AI関連株の業績好調を背景に、ハイテク株を見直す流れが出ていることも、世界的な株高につながっています。日本株でも、半導体・AI関連株の上昇が目立っています。


 米国・イランの停戦協議は難航し、エネルギー危機は簡単には解消しそうにありません。それでも、トランプ大統領が戦争終結を急いでいると思われることから、株式市場では、最悪のエネルギー危機は回避されると、先読みしているようです。


<日経平均週足:2025年1月6日~2026年4月24日>
日経平均一時6万円、中東危機でも企業業績は崩れない?次に来る波は?(窪田真之)
出所:楽天証券MS IIより作成

<米国ナスダック総合指数の週足:2025年1月3日~2026年4月17日>
日経平均一時6万円、中東危機でも企業業績は崩れない?次に来る波は?(窪田真之)
出所:楽天証券MS IIより作成

<WTI原油先物(期近)推移:2025年末~2026年4月24日>
日経平均一時6万円、中東危機でも企業業績は崩れない?次に来る波は?(窪田真之)
WTI原油先物(期近)推移:2025年末~2026年4月24日

<WTI原油先物(期近)推移:2021年末~2026年4月24日>
日経平均一時6万円、中東危機でも企業業績は崩れない?次に来る波は?(窪田真之)
出所:QUICKより作成

 最終的に、原油価格がどこで収束するか分かりません。早期にイラン戦争が終結したとしても、ホルムズ海峡からの供給は減少が予想されることから、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物が元の水準まで戻ることは無いと思われます。


 仮に、WTI原油先物で1バレル90~100ドル辺りに収束するとすると、日本および世界のインフレ率をかなり押し上げることになると考えられます。

それでも、世界的な景気後退になることはなく、世界景気は堅調に推移すると考えています。


どうなる企業業績

 株式市場の注目は、これから企業業績に向かうと考えています。中東情勢の変化に反応して乱高下が続いてきましたが、実際に企業業績がどうなるかに焦点が移っていくと思われます。業績好調が再確認された半導体関連が、その例です。中東情勢にかかわらず、半導体関連の好調は今しばらく続きそうです。


 3月期決算企業の本決算発表がこれから佳境を迎えます。3月の日本銀行短観DIが高水準であったことを考えると、非製造業の好調が続きそうです。製造業は、トランプ関税のマイナスがあるものの、円安・米景気好調の恩恵から悪くない決算となりそうです。


 ただし、日銀短観DIの6月予測値は低下しているので、決算の時に発表される新年度(2027年3月期)の業績(会社予想)は保守的(低め)となりそうです。


<日銀短観、大企業DIの推移:2020年3月~2026年3月>
日経平均一時6万円、中東危機でも企業業績は崩れない?次に来る波は?(窪田真之)
出所:日銀短観(全国企業短期経済観測調査)より作成

 楽天証券では、今期(2027年3月期)の東証プライム市場の純利益は、前期(2026年3月期)対比で+15.6%の増益を予想していますが、少し下方修正が必要となるかもしれません。ただし、それでも二けた(10%)以上の増益は見込めると考えています。


<東証プライム3月期決算主要841社の連結純利益(前期比%)>
日経平均一時6万円、中東危機でも企業業績は崩れない?次に来る波は?(窪田真之)
出所:楽天証券経済研究所予想

日本株の投資方針

 日本株は割安で長期的な上昇余地は大きいと考えています。大きな波としての上昇基調は継続していると考えています。


 ただし、足元の上昇ピッチの速さには警戒も必要です。日本株はこれからも急落・急騰を繰り返しながら上昇していくと思われます。少しずつ時間分散しながら、割安な日本株に投資していくことが、長期的な資産形成に寄与すると思います。


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(窪田 真之)

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