【レースと縁がありすぎる1頭】

 5月17日(日)、東京競馬場で4歳以上牝馬によるGⅠヴィクトリアマイル(芝1600m)が行なわれる。

 今年は、昨年のGⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)とGⅠ秋華賞(京都・芝2000m)を勝ったエンブロイダリー、GⅠオークス(東京・芝2400m)を勝ったカムニャック、さらに2024年のオークスと秋華賞を勝ったチェルヴィニアと、3頭のクラシックホースが出走する。前哨戦のGⅡ阪神牝馬S(阪神・芝1600m)を勝ったエンブロイダリーが中心になりそうだが、実力馬がそろった。

 それでは、このレースを血統的視点から分析していこう。今回、筆者が気になる馬がマピュース(牝4歳、美浦・和田勇介厩舎)だ。

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 同馬はヴィクトリアマイルに縁のある血を多く持っている。まずは父マインドユアビスケッツ。同馬はダート・1200mのGⅠドバイゴールデンシャヒーンを2連覇した馬だが、産駒は芝、ダートの両方で活躍している。

地方交流GⅠ全日本2歳優駿(川崎・ダート1600m)を勝ったデルマソトガケのほか、GⅢ函館記念(函館・芝2000m)を勝ったホウオウビスケッツは、東京・芝2000mで行なわれたGⅠ天皇賞・秋で8番人気ながら3着と好走している。父系を遡ると、四代父デピュティミニスターに辿り着くが、マピュースは祖母の父フレンチデピュティも経由してこの血を4.5×4でクロスしている。

 デピュティミニスターの血を持つ馬は、東京の芝マイルGⅠを得意としている。GⅠNHKマイルCでは、クロフネ(父フレンチデピュティ)が勝った2001年から、アエロリット(父クロフネ)が勝った2017年までの17年で4勝。ヴィクトリアマイルでは直系の馬も勝利しており、2012年のホエールキャプチャ(父クロフネ)、2022年ソダシ(父クロフネ)の2頭が制している。

 母の父シンボリクリスエスも、このレースの実績は十分だ。同じく母の父にこの血を持っている馬は、2023年の勝ち馬ソングラインや、2021年に10番人気から2着に入ったランブリングアレー、2021年に5番人気で3着に入ったマジックキャッスルなどがいる。

また、2024年に14番人気から1着になったテンハッピーローズ(父エピファネイア)は、父の父がシンボリクリスエスだ。ちなみにテンハッピーローズが持つロベルトのクロスは、マピュースも保有している。

 さらに見逃せないのが、曽祖母の父フジキセキ。同馬の産駒は、ヴィクトリアマイルを人気薄で制する例が多く、2007年にコイウタ(12番人気)、2008年にエイジアンウインズ(5番人気)、2015年、16年と連覇したストレイトガール(15年は5番人気、16年は7番人気)と4勝している。前述のテンハッピーローズとも共通点が多く、これほど"ヴィクトリアマイルの穴血統"がそろっている馬は珍しい。

 マピュースは昨年のGⅢ中京記念(中京・芝1600m)を1分32秒3の好時計で快勝。東京・芝1600mでも、2歳時に赤松賞を勝利し、昨年のGⅢクイーンCは2着に入った。新潟の新馬戦を加え、3勝、2着1回と連対したのはすべて左回りの芝1600mのため、今回はベスト条件と言っていいだろう。

【対抗馬は同コースでも勝利経験あり】

 もう1頭はアイサンサン(牝4歳、栗東・橋田宜長厩舎)を推す。

 同馬は前述の2023年勝ち馬ソングラインと同じで、「父キズナ・母の父シンボリクリスエス」の配合。全姉アカイイトは、差し脚を武器にGⅠエリザベス女王杯(阪神・芝2200m)など芝1800~2200mで5勝したが、アイサンサンは逃げ先行脚質を武器に芝1400~1600mで5勝。全姉妹でこれほどタイプが異なることは少ない。

 前走のGⅢ愛知杯(中京・芝1400m)は、12番人気と人気薄ながらの逃げきり。大外枠から前半3F33秒9、1000m通過56秒9というペースは決して楽なものではなかった。昨秋には2勝クラスではあるが、東京・芝1600mの鷹巣山特別を2番手追走から1分32秒0の好タイムで押しきっており、コースと距離の実績も十分だ。

 以上、今年のヴィクトリアマイルはマインドユアビスケッツ産駒マピュース、キズナ産駒アイサンサンと、母の父にシンボリクリスエスを持つ2頭に期待する。

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