この記事をまとめると
■スポーツカーではないが走りの楽しいクルマを紹介■プラットフォームの進化によって走りの質は昔より大幅に向上している
■一般的な軽自動車でも走りが楽しめる領域に来ている
スポーツカーでなくとも走りのポテンシャルは一級品なクルマたち
スポーツカー好きからすると、最近のクルマは刺激的なエンジンが減っていて、走りが面白いはずもないと思いたいかもしれないが、ここ10年で本当にクルマのシャシー性能は上がっている。
いわゆる大衆車であっても、プラットフォームが新設されたモデルであれば、ハンドリングがプアに感じるようなことはまずないといえるほどだ。スポーツ性能を期待させないキャラクターなのに、じつは超絶ハンドリングが気持ちいい。
国産Bセグメントには、そうした秀作がそろっているが、なかでも全体のバランスに優れていると感じるのがホンダ・フィットだ。とくにe:HEVと呼ばれるハイブリッドパワートレインは、ダイレクト感があるためアクセルのオン/オフでの荷重移動もしやすく、それがハンドリングの好印象につながっている。
コンパクトクラスとしては十分以上に直進安定性も高いため、高速道路ではひとクラス上の感覚でツーリング可能。それには、渋滞にも対応するアダプティブクルーズコントロールの出来映えも貢献している。さらに、価格は張ってしまうが、ホンダアクセスの知見から生まれたコンプリート仕様である「モデューロX」ならば、公道ではあり得ないような速度でコーナーに進入しても難なくクリアしてしまうハンドリング性能を持っているのも確認できる。そうした走りを実現するシャシーのポテンシャルは、どのグレードであっても気持ちの良いハンドリングにつながっている。
Bセグメントといえば欧州にも良作が多いが、ハンドリングの気持ちよさとパワートレインのバランス感でいうと、1.3リッター4気筒ターボを積むルノー・ルーテシアも印象深い。とくに微小舵角を与えたときのレスポンスのよさ、それでいてセンシティブなわけではなく、リニアリティの良さが際立つ感触は、Bセグメントとは思えない重厚感がある。7速DCTとの組み合わせられたターボエンジンもレスポンスに優れるもので、アクセルとステアリングのリズミカルな操作が楽しいハッチバックに仕上がっている。
そんなルノー・ルーテシアの価格帯は256万9000円~276万9000円。同じプラットフォームを使う日産のプレミアムコンパクト「ノートオーラ」がe-POWERというハイブリッド専用モデルとはいえ、260万円以上の価格帯になっていることを思うと、フレンチホットハッチとしての価値観も含めて、リーズナブルな印象さえ受ける1台だ。
WRCで大活躍した遺伝子は普通車でも健在だ
攻め込んでいくとスポーツカーも真っ青のハンドリング性能を持つファミリーカーとして思い出すのが、スバル・インプレッサスポーツだ。そろそろモデルチェンジの噂も聞こえてくるインプレッサだが、最新世代のスバルグローバルプラットフォームによる走りの良さはまだまだ一線級。
特徴的なのがリヤの接地感に優れたシャシー性能だ。気持ちよいコーナリングとスキール音が出ても不安に感じないスタビリティを両立している。だからといってスタビリティ重視で曲がらないというわけではなく、ステアリング操作に対して遅れることなく鼻の向きを変えていく様は、ファミリーカーの域を超えている。地味なモデルという印象もあるかもしれないが、日常的に気持ちよく走りたいならば候補に挙げてほしいファミリーカーだ。
日本独自規格である軽自動車も各社が力を入れている。ひと昔前の軽自動車には「プアなハンドリングが標準装備」という悪印象もあったかもしれないが、いまどきの軽自動車はそんなことはない。スライドドアのスーパーハイトワゴンでもハンドリングに不安を感じるようなモデルはない。そうした軽自動車の中で、あえてピックアップしたいのはダイハツ・ミラトコットだ。
見た目と名前の印象から、街なかをトコトコ走るような使い方がピッタリに感じるモデルで、感動的なハンドリングを持っているとは思いづらいかもしれないが、ミラトコットは低速域からフロントタイヤのグリップ感が非常にわかりやすいのが美点。タイヤグリップはそこそこなのでハイスピード域まで楽しめるというわけではないが、タイヤと対話しながらコーナリング、スポーツドライビングの基礎が味わえるクルマだ。

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