ジェネッタは、日本ではまだ知られ始めたばかりの新しい猫種です。大自然を思い起こさせるワイルドな柄に短い足がとてもかわいらしいですよね。
ここでは、ジェネッタがどんな猫であるのか、また値段や特徴、性格など細かな情報をまとめました。この猫に関して今疑問に感じている点をぜひクリアにしていってください!
目次
ジェネッタはマンチカンをベースに交配された、比較的新しい猫の種類!
ジェネッタという猫がアメリカで初めて誕生したのは、2006年のこと。猫の長い歴史の中では比較的最近のできごとです。では、その誕生の経緯をひもといてみましょう。
目標としたのはアフリカンジェネットの姿
上の画像はアフリカンジェネット(アフリカジャコウネコ)という野生動物の姿です。
実はジェネッタを生み出したブリーダーが目指していたのは、この動物に似た容姿。モデルの動物の雰囲気がうまく出ている、と思いませんか?
といっても、猫の交配にこの動物そのものを使ったわけではありません。似た特徴を持つ猫種を選んで交配に用いたのです。
まずこの短めの足に似せようと選ばれたのがマンチカンです。そして、野性的な柄を出そうとしてピックアップされたのがベンガル。
ほかには、やはり野性味の強いサバンナや胴の長いオリエンタルショートヘアなどが選ばれています。
未だ開発途上にある希少な猫ジェネッタ
ジェネッタの開発に取り組んだのは、アメリカにあるポーストラックキャッテリーです。
シャノン・キリーという人物が、2006年に初めて理想的なアフリカンジェネット似の猫を誕生させています。
しかし、現在でもジェネッタは開発の途上にある希少な猫です。
交配のベースとなるマンチカン自体、短足が生まれる確率は2割程度と低め。
そして、ジェネッタにも足の短いものと普通の長さのものが生まれてきます。通常の足の長さのジェネッタだと、ベンガル猫の外見とほぼ変わりありません。
現時点では希少品種専門のREFRとTICA(実験種として)が、登録品種として認めています。下記が正式な登録団体名になります。
- TICA…The International Cat Association
- REFR…Rare and Exotic Feline Registry
ジェネッタの子猫・成猫の値段や販売価格の相場はこれくらい!
まだ日本ではなじみの薄いジェネッタですが、キュートな姿にいつ人気が急上昇してもおかしくありません。
流行に先立って今ジェネッタを購入しようとすれば、いくらの支払いになるのでしょうか?価格相場はこちらです。
子猫 | 成猫 |
---|---|
20万円~40万円 | 10万円~20万円 |
現在のところはやはり広く普及している猫ではないので、高めの値段となってしまいます。
成猫に近づくにつれて猫の値段は下がる傾向にありますが、国内で見つけられるジェネッタの数は決して多くはないでしょう。
猫の月齢や金額に、それほど選択肢がないのが現実ではないでしょうか。
ジェネッタはブリーダー、ペットショップ、里親のうちどこから買えるの?
買いたい猫を探す場合、ペットショップだけでなくブリーダーや里親という方法でも検討可能です。
特にジェネッタは数多く流通している猫ではないので、1つだけの方法にこだわるとなかなか巡りあえない可能性があります。
3つの方法について詳しく知っておきましょう。
便利な反面リスクもあるペットショップ
ジェネッタをペットショップで探して購入するなら、次のようなことがメリットとなります。
- 行くのが便利な場所にある
- 猫用の餌やトイレが店内で買える
- クレジットカードが利用可能
行くまでの道のりや購入の手順など、何かと便利なのがペットショップです。ですが、ほかの方法と比べてデメリットとなる点もあります。
- 値段が高く設定される
- 親から離される時期が早め
- ほかの動物からの感染リスクがある
販売店である以上、仕入れ価格以上の値段が設定されるのは当然です。
また、親から離れた時期によっては社会性を身につけていないかもしれませんし、店の管理状態によっては感染リスクが心配です。
環境や健康をチェックしやすいブリーダー
ブリーダーは猫を繁殖させて育てている施設ですが、販売の相談にものってくれます。ブリーダーでジェネッタを買うメリットは以下の通り。
- ショップより値段の設定が低め
- 親の柄を見て将来的な柄が想像つく
- 猫が育った環境を確認できる
購入時にブリーダーにおもむけば、環境の清潔さや健康管理などがチェックできます。子猫の柄がまだはっきりしていなくても、親を見ればどんなふうに育つか大体予想がつくでしょう。
一方、デメリットとして知っておくべきなのはこちら。
- 連絡や訪問の調整が必要
- 訪ねていくのに時間がかかる
- 気持ちが変化した時に断りにくい
ネットを利用すれば、ジェネッタを探す範囲を全国に広げることが可能です。
ですが、ジェネッタを提供するブリーダーがかなり遠い地域である場合も考えられます。猫の価格を抑えられても、交通費や手間はかかってしまうわけですね。
里親では血統が不確かな猫も含まれる
ひょっとしたらジェネッタが里親募集される可能性もゼロではありません。里親でジェネッタを得るメリットは主に次の3つです。
- 支払い金額が少なくて済む
- 困った立場の猫を助けられる
- 手間のかかる時期を過ぎている
里親制度で猫の生体代が要求されることはほぼありませんから、支払うのはワクチン接種代や去勢・避妊手術費用くらいです。
とても大きなメリットですが、以下のようなデメリットがあることも理解しておいてください。
- 親や血統が確認できないかもしれない
- 募集に出るのは成猫が多い
- 条件にあてはまらないと引き取れない
手間がかかる幼い頃を過ぎているということは、反面かわいらしい時期を見られないということにもなります。
猫が里親に出される事情はさまざまですが、親や血統が不明な保護猫も含まれています。
3つの方法を同時にチェックしていくのがおすすめ!
3つの中でどれがジェネッタ購入に適しているか、ここで判断することはできません。
ジェネッタがレアな猫であるという現状があるからです。どの方法であれ、ジェネッタが出る確率が低いことには違いがないのです。
どうしてもジェネッタがほしいなら、3つの方法を並行してチェックしていくことをおすすめします。
といっても、繁殖に用いられるマンチカンやベンガルを育てているブリーダーは日本に存在しています。
ジェネッタの知名度や人気がもっと上がれば、入手に苦労しない日がいずれやってくるかもしれませんね。
猫のジェネッタの基本的な性格はこの3つ!
ジェネッタという品種が生まれてからまだそれほどの年月がたっていませんが、性格の傾向はある程度わかっています。ジェネッタの基本的な性格は、次の3つです。
ジェネッタはフレンドリーで甘え上手な性格
ジェネッタは、人にもほかの動物にもフレンドリー。少し警戒心があるものの極端なことはなく、相手との距離を段々と縮めていける性格です。
特に信頼した飼い主さんには上手に甘え、膝の上に飛び乗ったり目の前で転がったりとかわいらしい姿を見せてくれます。
活発な性格のジェネッタ!動いて遊ぶのが大好き
また、じっと飼い主さんのそばで座っているだけではなく、動いて遊ぶことも好むという活発なところもあります。
走り回るのはもちろん、高いところもへっちゃら!ジェネッタ特有の短い足をものともせず、上下運動も平気な顔でこなします。
ジェネッタは頭の働きがよくて好奇心旺盛
ジェネッタにはさまざまなものに対して好奇心を発揮するところが見られます。狭いところや暗いところ、珍しいものなど1度興味を持ったら、頭を働かせて調べにいきます。
入られたくない場所や壊れ物などの管理はしっかりしておいた方がよさそうですね。
ジェネッタの代表的な3つの特徴はこれ!
では、あらためてジェネッタの特徴に注目してみましょう。アフリカンジェネットを理想にしたというジェネッタの代表的な特徴は、こちらです。
- 長い胴に短い足のスタイル
- 自然界にいそうなワイルドな柄
- 大きな目と耳を持つ顔立ち
長い胴に短い足がかわいいジェネッタ
ジェネッタの全身のスタイルを見ると、まず長い胴が目立ちます。そして、胴体のわりには短くかわいらしい足がちょこんとついています。
尻尾は長くて体を超えるものもあり、全体的なスタイルのアンバランスさが魅力です。
短い足はマンチカン譲りの特徴で、一見苦手に思える運動も難なくこなします。素早く走ることや飛び上がることも得意です。
遺伝的な関係で、理想の短足が現れるジェネッタ(スタンダード)もいれば、通常の足の長さで生まれるジェネッタ(ノンスタンダード)もいます。
ジェネッタの毛の柄は野性的でクール!
ジェネッタの毛が描くのは、アフリカンジェネットさながらの野性的な柄!いかにも自然に溢れた地を駆けていそうなクールな印象を与えます。
本家のアフリカンジェネットに似た斑点模様のほか、雲や大理石模様をしたジェネットもいます。
カラーは、黒やブラウンのほか、シナモン、チョコレート、シルバーなど。毛の性質はベンガルに由来するので、抜け毛は比較的少なめです。
ジェネッタは大きな耳と目がチャーミングな顔立ち
ジェネッタの顔立ちでは、大きな耳と目が特徴です。耳には先に丸みがあり、澄んだ目にはグリーンやブルー、琥珀色、ダークブラウンなどの色があります。
より理想的なジェネッタとしては、頭部にもアフリカンジェネットを連想させる形が求められるようです。
首がほっそりとして鼻先がシュッと細くなっているものが望ましいとされています。
ジェネッタの体重や寿命はどれくらい?
一旦ジェネッタを飼い始めたら、一生涯付き合っていく覚悟が必要です。成猫となった時の体重や平均的な寿命について情報を得ておきましょう。
ジェネッタの平均体重は3kg~6kg
成猫になったジェネッタの体重はこちらが目安です。
しかし、オスメスの区別がなく、ざっくりした情報しかありません。まだ歴史が浅い猫種なので、正確なデータを得るにはもう少し時間がかかりそうです。
そこで、交配に使われる主な品種のマンチカンとベンガルについても記しておきます。
オス | メス | |
---|---|---|
マンチカン | 3kg~5kg | 2.5kg~4kg |
ベンガル | 5kg~8kg | 3kg~5kg |
ジェネッタの体型はマンチカンに近いものとなるため、体重もマンチカン寄りの数値と推測できそうです。
ジェネッタの平均寿命は11年~14年
ジェネッタの平均寿命として考えられるのは次の数字です。
やはりこちらもまだ統計を取れる段階ではありません。初めて生まれたジェネッタでさえ、まだ寿命を迎えていないかもしれないのですからね。
予測する材料としては、同じくマンチカンとベンガルが参考となります。
マンチカン | ベンガル |
---|---|
11年~13年 | 14年前後 |
どちらも一般的な猫より少し短めです。でも、心配するくらいなら健康管理の方に意識を向けましょう。ほかの猫と同様に、それが平均寿命を超える長生きの秘訣となりますよ。
ジェネッタの飼い方や飼う時の注意点は?
猫の品種に仲間入りしてまだ新しいジェネッタ。飼う場合に何か注意したい点はあるのでしょうか?心がけたいポイントを説明します。
インテリアに気を配ってヘルニアを予防する
ジェネッタが普段過ごす部屋のインテリアに気を配りましょう。高さのある家具には配置で段差をつけ、床には滑りにくいマットを利用するのがおすすめです。
マンチカンの短足を受け継ぐジェネッタは、足腰の関節に負担がかかりやすく椎間板ヘルニアになることがあります。
椎間板ヘルニアは、遺伝や加齢が原因となるほか、体勢を崩したり衝撃が加わったりすることでも発症しやすくなります。
うっかり滑ることや高い位置からの落下をできるだけ防げる環境にしておきたいものです。
しっかり運動をさせて肥満とストレスの解消を!
キャットタワーなどで自然と遊べるスペースを作ったり飼い主さんがおもちゃを手にして相手をしたり、日々しっかりと運動をさせるように意識してください。
運動不足が続けば、行き着く先は肥満。重くなった体が負担となり、椎間板ヘルニアの間接的な原因となってしまいます。
また、ベンガルの血を引くジェネッタは体を動かすことを好みます。運動できない環境では、肥満ばかりかストレスを抱えてしまうかもしれません。
可能なら、遊び相手の猫仲間を飼ってあげられるとよいですね。
週に1度程度ブラッシングで毛のお手入れをする
短毛用のブラシを選び、週に1度くらいの割合でブラッシングをしてあげましょう。
ベンガルの毛質を受け継ぐジェネッタは、それほど抜け毛が多量に出るわけではありません。換毛期(毛の生え変わる季節)以外なら、過度なお手入れはしなくても大丈夫です。
ただし、ワイルドな柄を美しく保つには、定期的なブラッシングが効果的。無駄な抜け毛を取り去るだけでなく、皮膚の刺激で血流がよくなって毛ツヤもアップします。
ジェネッタと相性がいいのはこんな人!
ジェネッタと生活をしていく上で気になるのが相性ですね。ジェネッタと相性がいい人を挙げてみます。こんな人だとうまくやっていけそうです。
- 比較的広い住宅に暮らす人
- 多頭飼いしてみたい人
- よく気づき心配りできる人
- 大自然に憧れている人
遊び好きなジェネッタを満足させてあげられるのは、どちらかといえば広いスペースが取れる住宅に住む人。
でも、自ら遊び相手となる時間を取ったり多頭飼いしたりすることでも、運動不足を防ぐことはできますよ。
ジェネッタの健康を守るためにも、体調や環境によく心配りできる人が向いています。
そして、ジェネッタの特徴ある姿は、大自然に憧れている人にピッタリ。家にいながらにして野性を感じさせてくれるジェネッタをぜひ大事にしてあげてください。
2006年に初めて登場したジェネッタは、新しくて希少な猫。アフリカンジェネットをモデルとした野性味たっぷりの模様と短い足が特徴です。
日本ではまだ認知度が低く、逆に価格は高め。入手には手間取るかもしれませんが、不可能ではありません。
ペットショップやブリーダーを同時進行で根気よくチェックしてみてください。
かわいい体型にクールな柄を持つジェネッタと一緒に暮らすこととなったら、しっかりと健康を見守ってあげてくださいね。