フランスメディアのRFIは、ウクライナとポーランドの「対ロ結束」が崩壊する可能性が高まってきたと報じた。ポーランドはロシアの進攻が始まって以来、ウクライナを軍事面および人道分野で最も強固に支援してきた国だ。
ウクライナのゼレンスキー大統領は5月末、第2次世界大戦時に活動した民族主義組織である「ウクライナ蜂起軍(UPA)」にちなむ名称を軍の1部隊に付与する決定をした。
UPAは第二次世界大戦中の1942年に結成され、50年代半ばまで活動した、ウクライナの民族主義を掲げた独立武装組織だ。当時のウクライナはすでにソ連邦に組み込まれており、UPAは独立を目指してソ連軍と激しく戦った。ナチス・ドイツ軍とは当初は協力し、のちにドイツがウクライナの独立を認めていないと知ると敵対した。さらに、領土問題を抱えていたポーランドの武装組織とも激しく戦った。UPAはまた、ウクライナ西部などで10万人を超えるポーランド人住民やユダヤ人を虐殺した。
UPAは、ウクライナでは「ソ連やナチスの支配に屈せず、祖国の独立のために命を捧げた民族の英雄」とみなされることが多く、ポーランドでは「戦時に同胞を大量虐殺した戦争犯罪組織」として厳しく非難されている。
ポーランドのナフロツキ大統領は6月19日夜に発表した演説の中で、「大多数のポーランド国民にとって、UPAはまず第一に、第2次世界大戦中にポーランド共和国の市民に対して犯した残虐な犯罪に責任がある組織だ」と表明した。
ナフロツキ大統領は2025年に大統領に就任する以前からウクライナ政府を批判し、とりわけウクライナのNATOやEUへの加盟に反対してきた。ナフロツキ大統領はまた、ポーランドにいるウクライナ難民への特別支援を提供する立法を阻止しており、ウクライナから何度も招待されたにもかかわらず、キーウを訪問したことは一度もない。
ナフロツキ大統領は19日、「ゼレンスキー氏がウクライナ軍の部隊の一つを『UPAの英雄』と命名することに同意したことを受け、白鷲勲章を剥奪することを決定した」と発表した。
ウクライナ政府はすでに、UPAがポーランド人に対して犯した虐殺の罪を認め、ポーランド政府に正式に謝罪した。ただし「ジェノサイド(特定集団を対象にした根絶行為)」という言葉を受け入れることは拒否した。一方のポーランドでは2016年に、UPAの行為を「ジェノサイド」と断定することが、国会で決議された。
ゼレンスキー大統領によるUPAの名称を軍の部隊名に組み込む決定は、ポーランド政界に大きな波紋を呼んだ。親欧州派でありウクライナを断固として支持してきたポーランドのトゥスク首相はナフロツキ大統領とゼレンスキー大統領に「双方の感情を和らげるために、互いに攻撃し合うよりも良い方法を見つける」よう呼びかけ、さらにウクライナ側に対し「この危機の責任を負い、それゆえに危機を解決する責任も負う」よう促した。
トゥスク首相は、ロシアに対抗するウクライナを支持することはポーランドの利益に合致すると強調している。トゥスク首相は6月16日、「仮にウクライナがこの戦争に負ければ、もしそのような事態が本当に起これば、ポーランドは自らが非常に困難な状況に置かれたことに気づくはずだ」と表明した。
EU統計局のデータによると、ポーランドは約100万人のウクライナ難民を受け入れた。ポーランドのオンラインポータルサイトOnet.plの最近の世論調査によると、ポーランド人回答者の65%が、「ゼレンスキー大統領の今回の決定が、ポーランドとウクライナの関係に対する(私の)考え方に否定的な影響を与えた」と表明した。今年(26年)初めに発表された別の世論調査では、ポーランド人回答者の48%が依然としてウクライナ人の受け入れを支持しているのに対し、46%は反対していることが示された。ロシアによるウクライナへの大規模侵攻の当初は、最大で94%のポーランド人がウクライナ難民の受け入れを支持する考えを示していた。











