中国メディアの財新網は14日、中国が公式に発表している失業率は5.2%である一方、経済学者からは「広義の失業率は10.2%」との指摘が出ていると伝えた。

中国国家統計局は先日、今年1~5月の全国都市部調査失業率の平均は5.2%で、雇用情勢は全体として安定していると発表した。

しかし、記事によると、清華大学中国経済思想・実践研究院の李稲葵(リー・ダオクイ)院長は11日に開催された中国マクロ経済フォーラム(CMF)のシンポジウムで、注目すべきは「広義の失業率」と指摘した。

李氏の研究チームは国家統計局の基礎データをもとに、過去2年間仕事を見つけられず、すでに公式統計の対象から外れた労働力も失業者に含めて再計算した。その結果、中国の広義の失業率は10.2%、長期失業者は約2400万人、そのうち約1300万人が16~24歳の若者と推計された。

李氏は、現在の中国経済の最大の問題は「K字型の二極化」ではなく、経済全体の冷え込みにあると指摘。「中国経済の低迷はすでに3年間続いており、『上の線』だけでは経済全体を押し上げることはできない」と述べた。

中国、公式発表の失業率は5.2%も「広義の失業率」は10.2%―中国メディア
貴州の出稼ぎ労働者

また、「広義の失業率」のほかにもう一つ注目すべき指標として固定資産投資を挙げた。昨年の固定資産投資は前年比3.8%減となり、今年も1~5月の累計で前年同期比4.1%減となったと指摘し、「これは統計開始以来まれなことであり、投資のマイナス成長の大きさも過去に例がない」と言及。「中国経済の新たな成長エンジンがまだ確立されていない一方、過去数十年間に経済を支えてきたインフラ投資や不動産投資は徐々に役割を終えつつある」と指摘した。

李氏は、3~5年前と比べると、不動産市場が中国経済に与える下押し圧力は明らかに弱まっており、現在、中国経済の低迷を招いている最大の要因は地方政府による投資全体の縮小だと分析。李氏の研究チームの試算によると、過去20年間、大規模なインフラ投資の主体だった地方政府によるインフラ投資や日常的な支出は、これまで平均して国内総生産(GDP)の約41%を占め、個人消費を大きく上回る中国経済最大の成長原動力だった。しかし現在、その比率は35%まで低下しているという。

また、一部の地方政府では、これまで企業に約束していた税制優遇措置を撤回したり、税金を前倒しで徴収したりする動きも出ているとのこと。

李氏は、「企業や家計の消費・投資意欲が低下する一方、地方政府は新たな借り入れを既存債務の返済に充てる状況にあり、経済を押し上げる力を失っている」と指摘。中国は中央政府を含む政府全体の債務水準を適度に引き上げ、民生支援や消費促進、新たな成長分野への投資を通じて経済回復を後押しすべきだと主張している。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ