シンガポールメディアの聯合早報は24日、「中国のサッカーファンは政治的要素を脇に置き、ワールドカップ(W杯)で日本代表を応援している」との記事を掲載した。

記事は、上海のスポーツバーではチュニジア戦での日本代表のゴールラッシュに歓喜する中国人の姿が見られたと紹介した上で、「日中両国の間には歴史的なわだかまりが残っており、さらに高市早苗首相が就任して以降、両国関係は緊張が続いている。

それでもなお、日本代表を応援する中国人ファンは存在している」と伝えた。

記事によると、上海の日本代表サポーターグループの主催者である范(ファン)さんは仏AFPの取材に「私たちの世代、1990年代生まれは多くが日本のアニメを見て育った。その中には『キャプテン翼』も含まれている」と語った。また、「私たちが同じアジアに属しているということが重要。今の日本代表は、アジアのサッカーの栄誉と誇りを体現している」と話したという。

中国は2002年に初めてW杯本大会出場を果たしたが、その後24年間にわたり本大会出場を逃している。今回のW杯は米国、カナダ、メキシコの3カ国共催で、出場チーム数も32から48に拡大されたが、中国は今回も出場権を獲得できなかった。

日本サッカーを長年取材し、書籍も出版している傅晋宇(フー・ジンユー)氏は、「日本は育成からサポーター文化に至るまで、近代的なサッカーシステムを築き上げており、日本代表は現在、欧州レベルの競争力を備えている」と称賛。一方で、中国については「いまだに模索を続けており、正しい道がどこにあるのか分かっていない」と指摘した。

范さんのサポーターグループのメンバーであるジェスパー・サンさんも「中国サッカーはますます閉鎖的になっていて、以前のような開放性を失っている」と述べた。また、日本代表を応援することで他の中国人から敵意を向けられることはあるかとの質問に、范さんは「そういう人は確かにいるでしょう。でも私自身は、そうした声をあまり気にしていない」と語った。

サンさんは、中国のほかの地域の日本代表のファンたちは不安を感じる可能性はあるとしつつ、「上海は比較的開放的で包容力がある」ため大きな問題になることはないとの見方を示した。

范さんは、「正直に言って、特に今のように両国関係がより緊張している時だからこそ、私たちのような人間が前に出る必要があると思う」とし、「最終的な理想であり、私の最大の夢は、両国の間に友情の橋を架けること」と語ったという。(翻訳・編集/北田)

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