長江沿いを車で走ると、大きな船が次々と見えてくる。建造中の大型船や、ゆっくり進む巨大な船が行き交う風景は、江蘇省靖江市では当たり前の日常だ。
江蘇新揚子造船有限公司の造船所では、デンマークの海運会社マースク向けの大型コンテナ船が建造されている。船の長さは274メートル、幅は45.6メートル、高さは約58メートル。9000個の20フィートコンテナを積むことができ、12万トンの荷物を運べる。
この船は、通常の燃料だけでなくメタノールも使える「デュアルフューエル船」だ。現在は進水したばかりで、この後、約2カ月かけて設備の取り付けや調整を行い、最後に海上試運転をして完成となる。
会社によると、環境に優しい船への注文は非常に多く、主な生産ラインは2030年まで受注で埋まっているという。
また、江蘇揚子泓遠造船有限公司では、液化天然ガス(LNG)運搬船など、高い技術が必要な船を建造する新しい工場を整備している。工場では、船体の部品作りや配管、組み立てなどが進められ、作業員らが溶接作業に取り組んでいる。
靖江市の造船産業は、1970年代に小さな木造船を造ることから始まった。96年には、中国の地方造船所として初めて1万トン級の船の建造に成功。その後は、ばら積み貨物船やタンカー、コンテナ船だけでなく、LNG燃料船やデュアルフューエル船など、より付加価値の高い船造りへと発展してきた。
現在、造船業は靖江市を支える重要な産業となっている。2025年には、靖江市で建造された船は世界全体の完工量の8.5%を占め、新規受注は6.1%、受注残高は10.9%を占めた。世界で建造される船のおよそ10隻に1隻が靖江市で造られている計算になる。
さらに、26年1~5月も造船業は好調で、新規受注は前年同期より92%増えた。靖江市は長江デルタを代表する造船都市として、中国だけでなく世界の造船業を支える重要な拠点となっている。(翻訳・編集/RR)











