シンガポールメディアの連合早報は2日、ベトナムについて、中国製造業の移入が産業高度化につながるのかとする記事を掲載した。
記事によると、米国による対中関税が中国製造業の珠江デルタ地域からベトナムへの急速な移転を促し、北部バクニン省などは「20年前の東莞」とも呼ばれるようになっている
中国企業の対ベトナム投資は、労働集約型産業から電子機器や精密製造業へとシフトしているが、高精度加工と研究開発は依然として中国国内にとどまっている。
ベトナム国内のサプライチェーンは脆弱(ぜいじゃく)であり、主要部品を中国からの輸入に依存している。2024年には中国からの輸入が約30%増加した。
20世紀に韓国や台湾、シンガポール、中国は産業移転を通じて徐々に産業システムを構築してきた。このプロセスは「雁行モデル」として知られており、生産移転が技術学習や地域サプライチェーンの成長を促進し、最終的には産業の高度化を促した。
シンガポールのシンクタンク、ISEASユソフ・イシャク研究所の上級研究員、レ・ホン・ホア氏はインタビューで、ベトナムと東南アジアが現在直面している環境は過去と比べて根本的な変化を遂げているとの認識を示し、現在の世界的な競争環境は当時とは大きく異なるため、ベトナムが「雁行モデル」を再現して産業高度化を達成できるかどうについては疑問視した。
ベトナムは半導体分野における人材育成と製造業の発展に注力しており、産業チェーンの波及効果を活用して産業能力の向上を図ろうとしている。ベトナムは2030年までに5万人の半導体設計エンジニアを育成し、40年までに半導体関連の労働力を10万人以上に拡大する計画だ。ベトナム最大の国営通信事業者ベトテルは1月、ベトナム初となる半導体チップ製造工場を着工し、27年末までの試験生産開始を目指している。
記事は「中国企業にとって、ベトナムは単なるサプライチェーン上の新たな結節点にすぎないかもしれない。しかし、ベトナム、ひいては東南アジア全体にとって、中国製造業の『南下』が持つ意義は、そうした枠組みをはるかに超えるものだ。これが新たな産業ハブの創出につながるのか、それとも同地域を中国の製造業エコシステムにいっそう深く組み込ませることになるのか。その答えは、今後の展開を待たねばならない」と伝えた。











