中国では今年も「腐敗撲滅」に大なたが振るわれている状態だ。中国では自らの地位を利用して不正を行った者の摘発について「トラもハエも叩く」と言われる。
中国共産党中央紀律検査委員会の最近の発表によると、「腐敗の疑い」を理由にした中国全国における上半期の立件数は53万8000件だった。中国共産党員あるいは公務員として処分された者は41万2000人に達し、立件された贈賄者は1万9000人で、検察に移送された者は1938人だった。
2026年上半期に立件された副部級以上の幹部は50人に達し、処分が確定した副部級以上の幹部は74人に達した。副部級以上とは、中央官庁の副大臣以上や省の共産党委員会の副書記以上、副省長以上の地位の者などを指す。
「ハエ叩き」にも力が入れられた。すなわち、組織末端の幹部の不正の摘発だ。日本の村長、町長あるいは市の幹部職員に相当する郷科級幹部の立件は7万5000人、中国共産党の村支部の現職あるいはかつての書記、さらに日本の村長に相当する村民委員会主任の立件は5万4000人で、両者の合計は12万人を超えた。
末端の問題の多くは農民優遇資金、集団資産、土地収用補償など大衆の身近な利益分配に集中している。
一方で、2026年上半期に摘発された「最も大物のトラ」は、中国共産党中央政治局委員だった馬興瑞だ。中国共産党の最高指導者は「総書記」で、その下は党中央政治局常務委員であり、さらにその下は党中央政治局委員だ。現在の党中央政治局は24人で構成されている。つまり中国14億人のトップ24位内の人物が失脚したことになる。
馬興瑞はハルビン工業大学の出身で、宇宙開発に長く従事し、その後は広東省省長などを務め、さらに新疆ウイグル自治区に異動して中国共産党同自治区委員会書記を務めた。この役職は、「新疆ウイグル自治区トップ」だ。
中国共産党中央規律検査委員会は2026年4月3日、馬興瑞を「重大な規律と法律違反」の疑いを調査していると発表した。その後、党中央政治局の会議決定として、馬興瑞の公職追放および党籍剥奪、収賄の疑いによる検察への移送が発表された。
2026年上半期には、警察関連幹部の摘発も相次いだ。
6月20日には新疆ウイグル自治区政府内の中国共産党の元党組メンバーで副主席だった朱昌傑が調査を受けると発表された。朱昌傑は2009年9月から2017年2月まで新疆自治区公安庁の共産党委員会書記と庁長を務め、長期にわたり「新疆警察界のトップ」と呼ばれた。朱昌傑は退職から約8年後に、不正の疑いで調査の対象にされたことになる。
2026年上半期に公式に摘発が発表された警察関係幹部としては、新疆公安庁元副庁長の牟宗義、黒竜江省公安庁副庁長の鄧馳、重慶市公安局1級巡視員の何内平がいる。
2026年上半期にはそれ以外にも、病死と発表された警察関係幹部2人について、インターネットで自死だったとする説が流れた。一人は重慶市の公安局共産党書記でもあった張安疆副市長で、もう一人は四川省公安庁黄瑞雪庁長だった。(翻訳・編集/如月隼人)











