中国でこの夏、江西省九江市の琵琶亭前にある「弦のない琵琶」の彫刻が各種SNSで大きな話題となっています。この彫刻には人工の弦は張られていませんが、雨が降ると、幾筋もの雨水が流れ落ち、それが天然の琴弦のように見えるのです。
九江は古くは潯陽と呼ばれ、2200年以上の歴史を持つ江南地方の歴史ある名城であるとともに、名実ともに「詩の街」でもあります。九江にゆかりのある古典詩文21編が中国の小中学校の教材に採用されており、白居易、李白、陶淵明をはじめ、多くの文人がここ九江で後世に伝わる名作を残しました。
九江は、白居易の長編詩『琵琶行』の物語が始まった地です。九江の琵琶亭景勝地に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、紫銅で作られた巨大な「弦のない琵琶」のモニュメントです。今年の夏、九江で最も注目を集めている観光スポットで、漢服に身を包んだ若者たちがあちこちで記念撮影をする姿が見られます。
琵琶亭を訪れたある観光客は、「以前は『琵琶行』の文字どおりの意味しか分からなかったが、潯陽江のほとりでこの弦のない琵琶を眺め、川風に吹かれていると、『此(こ)の時 声(こえ)無きは声有るに勝(まさ)る』という境地が一気に理解できた」と話しました。
九江市の文化・観光部門の担当者によりますと、景勝地周辺の庭園と川沿いの遊歩道は無料で一般公開されています。琵琶亭の内部を見学する場合は、大人30元(約700円)の入場券が必要ですが、『琵琶行』を全文を暗唱できる観光客は無料で入場できるとのことです。
同観光地はAIを活用したショート動画やプロジェクションマッピングなどの関連コンテンツがSNSで大きな反響を呼び、来場者が着実に増え続けています。現在、1日当たりの来場者数は延べ1万人を超え、インターネット上の人気を観光消費へと効果的につなげています。(提供/CGTN Japanese)











