8月のアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイでは、正午の屋外気温が50℃近くに達する。筆者がドバイのジュメイラビーチで「百度蘿蔔快跑(ApolloGo)」のスマートフォンアプリを開くと、2分もしないうちに黒い車がゆっくりと道路脇に停車した。

運転手もハンドルもない。スマートフォンでドアを解錠すると、車内から涼しい空気が流れ出した。車内は広々として清潔で、「シートベルトをお締めください」という音声案内の後、車は滑らかに発進した。新華社が伝えた。

車は海岸沿い道路を走り、ラウンドアバウト(環状交差点)や信号、交通量が多い場所に遭遇しても、自動運転タクシーは正確な右左折や車線変更をこなしていた。

現在、このような光景はドバイの街中でますます一般的になっている。

「蘿蔔快跑」から文遠知行、小馬智行に至るまで、ますます多くの中国の自動運転企業がUAEに進出している。UAEがスマートシティの建設を加速させる中、自動運転は中国とUAEのAI(人工知能)協力における新たな注目分野となっている。ドバイは2030年までに交通手段の25%を自動運転に切り替える計画を打ち出した。これは中国企業に幅広い発展の余地を提供している。

UAE市場にいち早く進出した中国の自動運転企業の一つである百度傘下の「蘿蔔快跑」は、25年にドバイ道路交通局(RTA)と戦略的協力協定を締結した。今年初めには完全無人運転の試験許可を取得し、ドバイで完全無人運転の試験実施を認められた初めての、そして現在唯一のプラットフォームとなった。

3月からは商業運用も開始している。

「蘿蔔快跑」のUAE責任者、陳強(チェン・チアン)氏によると、同プラットフォームのサービスエリアはドバイのジュメイラ地区の約25平方キロメートルをカバーしており、年末までに数百平方キロメートルに拡大する計画だ。運行車両も数百台に増やす予定だ。商業運行を開始して以来、現地の乗客からは「乗車が便利」「走行がスムーズ」「乗り心地が快適」「スマートで安全」といった評価が数多く寄せられている。

陳氏は「UAEの開放的で包摂的な規制環境が、中国の自動運転企業が現地で発展を加速させている重要な理由だ。整備された道路インフラ、旺盛な移動需要、さらに新エネルギー関連のインフラも商業運行に有利な条件を生み出している。ドバイでビジネスモデルを確立できれば、中東市場全体へ事業を拡大するためのモデルケースになる」と分析する。

「蘿蔔快跑」に加え、その他の中国の自動運転企業も中東地域での展開を加速させている。

文遠知行は現在、中東地域に200台を超える自動運転タクシーを配備しており、中東事業ではすでに営業利益を実現している。今後さらにドバイ、アブダビ、サウジアラビアのリヤドなどの都市へ事業を拡大する計画だ。

小馬智行も今年下半期にドバイで自動運転タクシーの商業サービスを開始する計画だ。同社の国際広報ディレクター、王露迪(ワン・ルーディー)氏は、「UAEの消費者によるスマートカーや国際ブランドの受容度が高まっており、政府の支援、整備されたデジタルインフラ、豊富な実証・応用シーンが、中国の自動運転技術の導入に有利な条件を提供している」と説明した。

RTAの局長兼執行理事会議長、マタル・アル・タイヤー氏は、「中国は世界の交通インフラ、デジタル技術、AIの発展をリードする国の一つになっている。そして、ドバイは中国企業との長期的な協力をさらに深め、中国企業の先進的な技術やソリューションを参考にしながら、ドバイの将来の交通プロジェクトにおいて、より高い水準の効率、品質、持続可能な発展を実現していきたい」と述べた。

業界関係者は、AI、スマートカー、人型ロボットなどの新興産業における協力がさらに深化するにつれて、中国企業がイノベーション能力と産業的優位性を生かし、中東のスマートシティ建設に新たな原動力を注入しているとしている。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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