2026年8月13日、香港メディア・香港01は、ホンダをはじめとする日系自動車大手が進めるインドへの技術外注や投資拡大の動きについて、背景にある課題や長期的リスクを抱えていると報じた。

記事は、ホンダがガソリン・ハイブリッド(HV)・電気自動車(EV)共通の次世代完成車モジュールプラットフォーム開発を、インドのタタ・テクノロジーズへ包括的に外注したと紹介。

1948年の創業以来、同社が最も核心的な技術開発を外部企業に委ねるのは初の試みであるとした。

また、ホンダ・トヨタ・スズキの日系3社によるインドへの投資総額は計約110億ドル(約1兆7000億円)に達していることにも触れ、一連の動きが研究開発機能の脱日本化とコア技術の外部移転という新たな局面を象徴していると伝えた。

その上で、日系メーカーが外注や対外投資に踏み切った背景として、中国EVメーカーと熾烈な価格競争を繰り広げる中でボトルネックとなる「開発スピードの差」にあると解説。日本勢の開発サイクルが48~60カ月であるのに対し、中国勢は18~24カ月と短いことを説明した。

そして、ホンダが掲げた開発費用・開発期間・開発工数を2025年比で半減させる目標「トリプルハーフ」を達成するには、従来の国内サプライチェーンでは困難であるため、インドの低廉な労働力や外注の活用へ舵を切ったと分析した。

さらに、インドが世界第3位の市場へ成長したことや、EV普及率が4%にとどまりガソリン車領域が維持されていること、中東・アフリカへの輸出拠点として適している点なども投資理由として触れている。

記事は一方で、こうした外注戦略が自社の技術基盤やブランドに悪影響を与えるリスクを指摘。プラットフォーム開発の外部依存によって国内エンジニアの実践機会が奪われ、基礎設計力の低下や将来的な技術空洞化につながる懸念があると伝えた。

また、日本本土の精密工学に対する顧客の信頼やブランド付加価値が薄れるほか、ハードウェア制御権を離脱することでハードウェアとソフトウェアの分離やシステム統合、スマート化への対応がさらに難しくなると論じている。

このほか、外注先であるタタ・テクノロジーズの親会社であるタタ・モーターズが直接の競合相手であること、日本の国内サプライチェーンや雇用基盤に深刻な打撃を与える可能性があること、不透明な政策やサプライチェーンのぜい弱さといったインド固有の危険要素が存在することなどをリスクとして挙げた。(編集・翻訳/川尻)

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