青蔵高原の「固体のダム」といえば、多くの人は氷河を思い浮かべるだろう。しかし、「岩石氷河」と呼ばれる目立ちにくい周氷河地形については、その数と貯水上の意義が大幅に過小評価されてきた。
岩石氷河は本当の意味での氷河ではなく、氷を含む岩石の破片と土壌からなる「混合物」だ。高山の寒冷環境下では、氷河のように極めてゆっくりと斜面を下っていく。岩石氷河は山岳永久凍土が存在することを示す重要な「地表の指標」であると同時に、潜在的な固体水資源でもある。表面が厚い岩石の破片に覆われているため、岩石氷河は衛星画像では非常に見つけにくく、人間による識別も極めて困難だ。そのため長期にわたって「見えない、数えられない」状態が続いていた。
今回、研究者は高解像度光学画像、レーダー衛星データ、人工知能(AI)ディープラーニング技術を活用し、青蔵高原に分布する岩石氷河の詳細な「全容調査」を初めて実施するとともに、レーダー干渉計測技術を組み合わせ、岩石氷河の移動速度も取得した。データによると、99.3%の岩石氷河について地表変形速度の観測結果が得られた。
「全容」が明らかになったことで、科学者は「水資源の収支」も算出した。これらの岩石氷河内部に蓄えられている氷を水量に換算すると、約92~186立方キロメートルになる。論文の連絡著者である中国科学院青蔵高原研究所の馮敏(フォン・ミン)研究員は、「これは数十カ所の大型ダムの貯水量に相当し、『アジアの給水塔』において長期にわたり過小評価されてきた固体水資源だ。周辺の氷河が急速に縮小し、一部の氷河のない地域では、こうした岩石氷河からゆっくりと放出される水資源が、河川への長期的な水の供給や生態系の調整に果たす役割は、私たちが想像する以上に大きい可能性がある」と説明した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)











