中国の映画館で「快適」な特別座席を購入したにもかかわらず、その設備によって逆に不快な体験をする結果となった。中国メディアの極目新聞が8月30日に伝えた。

記事によると、上海市在住の張(ジャン)さんは先日、映画館に「スパイダーマン:ブランニュー・デイ」を観に訪れた。より快適に観たいという思いから「ベスト観賞エリア」と表示されていた座席を選んで購入。しかし、劇場内に入ったところ、その座席がマッサージチェア(マッサージ機能を使用するには別途料金が必要)であることに気付いた。

座ってみると、マッサージ機の突起部分がちょうど後頭部に当たり収まりが悪かった。座席は前から3列目でスクリーンをやや見上げる角度だったため、頭を突起に押し付ける形となり、頭が痛くなってしまったという。

張さんは、「購入時にはその席がマッサージチェアであることは一切表示されていなかった」とし、「こんな座席だと分かっていたら、絶対に選ばなかった。劇場内のメインの座席にマッサージチェアを設置すべきではなく、仮に設置するのであれば事前にはっきりと告知すべき」と訴えた。

映画館の「マッサージチェア席」が大不評、しかも事前に選べず―中国

記事によると、張さんのような例は少なくないようで、上海市内の複数の映画館で劇場内に一定割合のマッサージチェアが設置されているという。実際にアプリから座席指定を試みたところ、画面には劇場内の座席図が表示されたが、販売済みと選択可能な座席が色分けされているだけで、どの座席がマッサージチェアなのかは分からなかった。

また、別のプラットフォームから購入を試みた際は、「通常エリア」「割引エリア」「ベスト観賞エリア」などにエリア分けされていたものの、それぞれのエリアにマッサージチェアが設置されているかどうかについては一切表示されていなかったという。

マッサージチェアの座席への苦情は後を絶たないといい、ある人は「たくさんの出っ張りがあって、座ると体に当たって不快。普通の座席よりもはるかに座り心地が悪い。

隣の席の客がマッサージ機能を作動させると音が鳴ったりして気が散ることもある」と話した。

ある映画館のスタッフによると、近年、映画館の収益の伸びが鈍化する中、劇場内にマッサージチェアを導入するケースが増えている。マッサージチェア会社が映画館に賃料を支払って劇場内に設置し、利用客から得た料金をマッサージチェア会社側の収入とする「直営方式」と、利用料による収入を映画館と分配する「共同運営方式」があるという。

ほぼすべての劇場に一定数のマッサージチェアが設置されているといい、消費者から苦情が寄せられることも少なくないものの、運営会社が一括して設置を決めているため、映画館としても「どうしようもない」という。

法律に詳しい専門家は「映画館やチケット販売プラットフォームがマッサージチェアであることを事前に明示しなければ、消費者の知る権利や自ら選択する権利を損なう可能性がある」と指摘している。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ