今注目のアプリ、書籍をレビュー

0

「植木等とのぼせもん」7話。植木から小松政夫が独立を許されるシーンにグッときた。そして今夜最終回

2017年10月21日 09時45分 ライター情報:近藤正高
NHK総合の土曜ドラマ「植木等とのぼせもん」(夜8時15分~)が今夜、ついに最終回を迎える。

試練を乗り越えた小松、独り立ちを許される


クレージーキャッツの植木等(山本耕史)に弟子入りした松崎雅臣青年(志尊淳)は、運転手兼付き人として植木を支えながら、やがて少しずつテレビや舞台に出させてもらうようになり、小松政夫の芸名も与えられた。
小松政夫の近著『時代とフザケた男』(扶桑社)のカバーも、淀長サンに扮する小松政夫のイラスト(画:峰岸達)で飾られている

先週、10月14日放送の第7回では、植木が小松を独り立ちさせるため、大阪でのクレージー公演の幕間の5分間を彼ひとりでつなげるという試練を与える。公演が始まってからというもの、小松はあれやこれやネタを披露するも、客にさっぱりウケない。クレージーのリーダーのハナ肇(山内圭哉)は見かねて、小松を降板させようとするも、植木が「もう一回だけ頼むよ」と懇願して、最後のチャンスが与えられる。

追い詰められた小松に、わざわざ大阪まで憧れの女性・鎌田みよ子(武田玲奈)が面会に来てくれた。すでにみよ子にはフラれていた小松だが、彼女から「私、ずっとまっちゃんのファンだからね。だから、きっとこの世界で一人前になるって約束よ」と励まされる。

このあと、小松は宿泊先のテレビでたまたま淀川長治が映画を解説するのを見て、これだとひらめく。翌日のステージでは、顔に太い眉とメガネを描いて登場、淀川長治の口調を真似ながら、その前のクレージーの出し物について「この作品、じつはねえ、構想5年、総予算30億円、リハーサル1日、怖いですねえ、怖いですねえ」と解説を始めた。これに会場はドッと沸く。こうして“淀長サンのモノマネ”は定番となり、小松のために太い眉毛付きの黒縁メガネと、テレビのフレームを模したセットも用意される。メガネはピアノ線を引っ張ると眉毛がピクピク動くという仕様で、彼はそれもネタにして笑いをとった。テレビのセットは「後半、ごゆっくりご覧ください」と小松が言うや倒れ、赤フンで金ダライに足を突っ込んでいる下半身が現れるという演出で、これまた爆笑をとる。

こうして小松は、試練を見事にクリアした。そんな彼に、植木はある日、帰りのクルマの中で「明日からおまえ、もう俺のところに来なくていいからな」と告げる。これに小松は運転しながら、クビになったのかとあわてるが、もちろんそうではなく、ついに一人前として認められたのだ。師匠から「いま(事務所の)社長にな、おまえを正式にうちの契約タレントにしてくれて言って、決めてきたんだよ」と言われ、思わず車を停めて、男泣きに泣く小松。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!