あなたのビデオテープ、生きてますか?
カビが生えてしまった大切なビデオテープ。こうなってしまわないように……。
1970年代後半に家庭用ビデオデッキが登場してから、およそ30年。長い間、記録メディアの主流だったビデオテープは、DVDに取って代わられ、さらにブルーレイへと移行の雰囲気。


でも過去に残してきたビデオテープもある。大好きなテレビ番組、わが子の成長記録、人には言えない○○……など、家のどっかに眠らせてる人も多いはず。

そんなビデオテープ、家のどこに保存してますか?
そして、最近中身を見ましたか?

僕は最近、部屋の物を減らそうと、98年のサッカーW杯のビデオテープを、すべてDVDに録画し直した。W杯から約10年、テープによってはノイズが入ってたり、映像がブルブル揺れてたりと、画質が劣化。保存状態が悪かったせいで、寿命が縮んでしまった。カビが生えてるテープもあった。


こうならないためには、どうしたらいいんだろう? 社団法人日本記録メディア工業会に聞いた。
「テープをすべて巻き戻し、ケースに入れ、縦に立てて保存してください。このとき、テープが巻かれてある方を下にすると、なおいいでしょう。また、温度は15〜25度、湿度は40〜60%が最適です。人間の住みやすい環境が、そのままビデオテープにとってもいい環境なんです」
メンテナンス方法は何かある?
「1年に1度は、早送りと巻き戻しをして空気に触れさせたいですね。長い間巻いたままにしておくと、温度や湿度の変化でテープが歪むことがあります。
衣類の虫干しのようなもので、カビの予防にも役立ちますよ」
そうなんだ……擦れちゃうかと思って動かさないでいた……。

ビデオテープの寿命は、適正な温度・湿度で30年前後とされている。もちろん、もっと寿命の長いテープもいっぱいある。ただ、ダンボールに重ねて入れてたり、気温の変化が激しい物置に放置していたら、10年未満でも画質は悪くなることがある。
劣化がまだ許容範囲なら、ホントの寿命がくる前に、DVDに保存するなり、ハードディスクに入れるなり、早めに処置しておきたい。

最後に、画質が悪くなったとき、復活させる方法を聞いた。

「復活する保証はないですが……テープの汚れやカビを、デッキの磁気ヘッドが掻き集めてしまって、画質が悪くなる場合があります。なので、画質が悪いと思ったら、とりあえずクリーンテープ(ヘッドクリーナー)を走らせてみてください。それだけでも違うことがあります。もし、それでも改善しない場合は、メーカーに相談した方がいいでしょう」

また他にも、テープが切れた、張り付いてしまったなど、解体の“手術”が必要な場合は、メーカーに相談するのが確実。メーカーのサポートセンターに相談すると、そのメーカーや委託している会社などで、有料の補修をしてくれる。大事なテープだったらば、そんな方法をとった方がいい。


快適な環境と適度な運動が、ビデオテープ長生きの秘訣。
眠ってるテープがある人は、今すぐにでも引っ張り出して、健康状態を確認してあげてください。
(イチカワ)