え!? 朝食に「ベビースター」?
「ベビースター おはようホットヌードル」(6食入り)は「チキン味」と「コンソメ味」の2種類。箱をあけると、通常のベビースターラーメンのような小袋が出てきます。
スーパーのシリアルコーナーで、思わず足が止まった。「ベビースター!?」
パッケージにはおなじみのキャラとロゴがかかれているが、「ベビースターおはようホットヌードル」とある。


「朝からラーメンかい!?」
と思い、箱の裏面を見ると、「食物繊維、カルシウム、ビタミンB1・B6・D入り」の文字が。1食あたりなんと「カルシウム 焼めざし約3匹分、食物繊維バナナ約2本分、ビタミンB6セロリ約16本分」など、栄養たっぷりらしい。

ベビースターラーメンって、確かにめちゃくちゃ美味いけど、「お菓子」なだけに、ご飯前に食べると怒られるし、なんとなく「背徳」な気持ちになることも多い。でも、こんなに栄養たっぷりなら、お母さんにも怒られず、堂々と朝から食べられるじゃないですか!
この画期的な商品、どういう経緯で開発されたのか。おやつカンパニーに聞いてみた。
「『最近、朝食を食べない子供達が増えている』という新聞記事などをよく目にするようになりました。
一方で、お母さん方は、子供達に朝食を食べてもらうために、色々な工夫をされているという話も聞きます。弊社の『ベビースターラーメン』は子供達に愛され続けて、既に40年以上たちますが、もし、これを『朝食』として食べてもらえるなら、少しでもお母さん方のお手伝いができるのではないかと考えたんです」と販促企画課担当者は言う。

「朝からラーメンは……」という抵抗をなくし、「朝食らしさ」を醸し出すため、子供達にも人気のあるベビースター風味(チキン味)のラーメンを「シリアル風」にしたのが、この商品。
麺には、各種栄養素を加えるほか、ミネラルや食物繊維が豊富な小麦全粒粉を配合している。
「全粒粉を使うとラーメンの形になりにくく、味もベビースターラーメンとは違うものになってしまいましたが、それを違和感のないようにすることが最も大変なことでした」

見た目はごくフツウのベビースターにお湯を入れたものなのに、食べてみると、とてもまろやか。ヌードルがなじんだスープは、コンソメスープのようでもある。


7月から全国の量販店で販売されているが、シリアルコーナーでの販売は、非常に注目度が高いとか。
「お母さん方からも『懐かしいし美味しい』『あっさりしていて食べやすい』『スープ感覚で食べれるのがいい』という、嬉しいコメントをたくさんちょうだいしております。この製品を通じて朝食をしっかり食べる子供達が増えてくれればと願っています」
と開発担当者は言う。
「子どもが食べたいもの≠お母さんが食べさせたいもの」の常識を覆す商品は、お母さんと子どもの双方に、ありがたい妥協点になるかもしれない。
(田幸和歌子)