“コンピューター”と“コンピュータ”正しいのはどっち?
”ター”とのばすか、“タ”とキッパリいくか。どっち派?
“コンピューター”じゃなくて“コンピュータ”、“プリンター”じゃなくて“プリンタ”。

コンピューター関係の用語は、必ずと言っていいほど最後の長音を取る。
いつの間にか受け入れてたこの法則。おかしな感じもするけど、なんだか専門的に見えるから不思議だ。
例えばコンピューターとは関係なくても、“デーブ・スペクター”を“デーブ・スペクタ”にすると、どういうわけかコンピューターっぽくなる。パソコン内に“スペクタ”っていう、カチッと鳴るまで差し込む部品がありそう。デーブ・スペクタを接続してみたくなる。

それはさておき、どうして長音を取るんだろうか。
業界での取り決めがあるのか、「富士通」に聞いてみた。
「当社は“コンピュータ”と表記していますが、“コンピューター”でも構わないんです。どちらにするかは各社が独自で決めておりまして、業界内での決まりはありません。ちなみに当社では、社内マニュアルとして“長音表記一覧表”があり、それに沿って決めています」
確かに「ソニー」では“コンピューター”って表記されてる。長音を取るか取らないかはメーカー次第ということらしい。

じゃあパソコン関係だけじゃなく、工業製品全体ではどうなんだろうか。
JISを管理する財団法人日本規格協会によると……、
「JISでは、3音以上の単語の長音符号は取っています。例えば“エレベーター”は“エレベータ”です。ただし2音以下なら、長音は取りません。“カバー”はそのまま“カバー”です」
おおっ、やっぱり決まりがあるんだ。
「いえ、これは目安でしかないので、メーカーさんは自由に名前をつけられます。この法則は国の文字表記にならったものですが、強制するものではありません」
そうなんだ、結局どっちでもいいのか。


結論としては、“コンピューター”でも“コンピュータ”でも正しかった。とはいえ、わざわざ“コンピュータ”って書いてあることが多いのも事実。たぶん各メーカーも、JISなどを参考にしつつ、独自の基準で長音を取るか取らないか決めてるんだろう。

最後にひとつだけ気になることを、(財)日本規格協会に聞いてみた。
「もしも“デーブ・スペクター”という用語があったとしたら、どうなるのでしょう?」
「強制はしませんが“デーブ・スペクタ”です」

みなさんは“コンピューター”派ですか?それとも“コンピュータ”派ですか?
(イチカワ)