まもなく4月。進学や就職などで、ひとり暮らしをはじめる人も多いかと思う。
そこで思い出すのが、学生時代に習った家庭科の授業。
小~中学校くらいまでは、きちんと出汁をとった味噌汁をつくったり、粉吹き芋やマヨネーズをつくったりしてみんなで食べるのが楽しかった。しかし、私の場合、特に家庭科教育に力を入れている女子高に進学したせいか、受験勉強で忙しい中、期日に間に合わせるため、半泣きになりながら実際に着せるアテもないベビードレスやケープなどを徹夜でつくった苦しい記憶も……。

先日、書店に行ったところ、『家庭科のおさらい』という本を発見。「なんで中学生のときに ちゃんと学ばなかったんだろう…」というオビ文が胸に痛い、「おとなの楽習」というシリーズの一冊だ。家事は母親任せだった中学生時代に比べ、大人になった今だからこそ、より興味を持って楽しく学べるのでは? と手にとってみた。
第一章が「食」、第二章が「衣」、第三章が「住」という3部構成になっている。

「ごはん&味噌汁のつくり方」や「おいしいお茶やコーヒーの入れ方」といった基礎中の基礎にはじまり、「ボタンつけ」や「巾着袋のつくり方」など遠い記憶がよみがえってくる項目も。さらに、今さら聞けない「洗濯マークの見方」や、「食品表示」から添加物や原産国をチェックするノウハウなど、漠然としか認識していなかったことを改めてそういうことだったのか! と理解できる目からウロコの内容。

各章で、「キウイはりんごと一緒にビニール袋に入れておくと、エチレンガスが発生して追熟が促される」とか、「魚焼きグリルの受け皿に水と一緒にみかんの皮を入れておくと、匂いやギトギト汚れ防止になる」などなど、明日からすぐ役立つ家事豆知識も満載。ひとり暮らしビギナーのみならず、新婚さんへのプレゼントなどにもイイかも。

が、無理を承知でいうなら、「おもにコンビニ+外食、たま~に手づくりでも、健康を維持できる栄養バランス」とか、「来客直前、目に見えるところだけとりあえず片付いて見える掃除法」などがあればものぐさな私的にはさらにぐっときたかも……と思わず妄想したりも(笑)。


版元の自由国民社さんにお話を伺ってみたところ、この「おとなの楽習」は2008年からスタートしたシリーズとのこと。今回の『家庭科のおさらい』で通算12冊目になり、これまでに『国語のおさらい』や『理科のおさらい』など多くの科目が刊行されている。ちなみに、これまでにいちばん反響が大きかった科目は『日本史のおさらい』と『英語のおさらい』だそう。

なるほど、英語は今や旅行や仕事などに必須だし、日本史は歴女ブームとかもあってもう一度、学び直したい!という人が増えているのかもしれませんね。私も大河ドラマ『龍馬伝』を見て、もう一度、幕末~明治維新にかけての歴史をおさらいしたいと思っていたところでした。

と、そんなわけで一家に一冊あると何かと役立ちそうな『家庭科のおさらい』。
春だけど何も変化はないよ、というあなたも「おとなの楽習」で興味のある科目をもう一度、おさらいしてみてはいかがでしょう?
(まめこ)