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チョコレートのような甘い匂いの古本? 岡崎武志『古本道入門』

チョコレートのような甘い匂いの古本? 岡崎武志『古本道入門』
『古本道入門 買うたのしみ、売るよろこび/岡崎武志』(2011年12月9日発売/中公新書ラクレ)<br />第6章ひとつを丸々使ってブックオフについて語っているのも興味深い。古書通からは敬遠されることも多いブックオフだけど、古いものは全部105円なんてミもフタもない値付けをするブックオフだからこそ、希少な本がタダ同然で手に入るという“発掘”ができる穴場なんだよね。
『古本道入門 買うたのしみ、売るよろこび』という非常にわかりやすいタイトルの本書は、サブタイトルにもある通り古本を「買うたのしみ、売るよろこび」について書かれたものだ。著者は神保町系ライターとして知られる岡崎武志。おそらく著書のなかで書名に「古本」と付くものの割合が日本一多い作家なのではあるまいか。

古本マニアが「古本を買うたのしみ」について書いた本は多い。古書店主が「古本を売るよろこび」について書いた本も多い。けれど、その両方について一人の著者が書いたものというのは、他ではちょっと見当たらない。

たとえば、第1章で古本屋の利用の仕方について説明する際にも、客はどんな心得で店と接するべきか、店主はどんな心構えで客を見ているのか、その両面から語られていたりする。結果としてそれが古本屋という空間を立体的に感じさせてくれ、まさに古本道の入門書として、理想的な効果を発揮している。

第3章では、古本を読むことの魅力について語っている。古本屋というのは、過去に積み上げられてきた知の森だ。そこには無数の知識が埋まっている。最初は何もわからず手探りかもしれないが、何かを手掛かりにして世界がどんどん広がっていく。古本屋探訪の醍醐味はそこにある。これを岡崎は「ものを知れば目がよくなる」と表現する。

神保町で行なわれた即売会で、たまたま手に入れた昭和4年の文藝春秋を読んだ岡崎は、それまでまったく関心のなかった北村兼子という人物や、その時代背景に惹き込まれていく。そうすることでいままで閉じていた“目”が開き、次に古本屋めぐりをしたときに、その分野の本が目に飛び込んでくるのだという。
レビューの記事をもっと見る 2012年2月29日のレビュー記事
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